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勇者? 王妃? いいえ、魔王城のニートです――愛される自由を謳歌します
魔王、カイゼル・ノアーラの宮殿。
(何もかも捨てて、気ままに生きたかった)
セリアは広間で眉をひそめ、自分の思考にふけっていた。
自由を求めてきたはずなのに、今、ここにいることが不思議でならなかった。
「お前が求めていた幸福。私の隣にいることだろう?」
カイゼルの言葉に、思わず目を見開く。
魔王城で過ごす時間は、どうしてこんなにも心地よく感じるのだろう?
その微笑みに、セリアの心がわずかに揺れる。
「どうしたんだ?」
カイゼルが優しく問いかける。
戸惑いながら、セリアは答えた。
「お菓子を食べて寝たり、宝物庫を見せてもらって……何でも好きにできるんだよ」
言葉が口をついて出た瞬間、カイゼルはふっと笑った。
セリアはその顔が熱くなるのを感じ、思わず目をそらした。
「まあ、いいか!」
セリアは心の中で自分に言い聞かせた。
魔王妃になるのも、悪くないかもしれない。
――多分。
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