0-2 1vs1
一束束の黒い雷が連珠砲のようにガブリエルに向かって打ち込まれた。ガブリエルは六枚の翼を広げ、華麗に空中で体を回転させ、ベルゼブブの凄まじい攻撃を避けた。
「烈火...」聖なる光が一閃。「--連斬!」
天色の斬撃が空を切り裂き、黒い雷を次々と切り裂いた。
「やっぱり面倒だな...」ガブリエルは震えで痺れた手を一瞥した。「強敵と戦うのは久しぶりで、疲れるな...」
ガブリエルは手慣れた様子で聖剣を鞘に収め、魔力を使って近くの黒い雷を全て吹き飛ばした。
「聖剣と魔力の組み合わせで連続攻撃したいけど、それは体力を消耗するからな...」
両手を振り、天色の神聖な魔力弾が次々と飛び出し、ベルゼブブの黒い雷と空中で対抗する。
翼を一振りすると、ガブリエルは六枚の翼で加速し、黒い雷の包囲網を抜け、一瞬で蝿の王の目の前に現れた。
「さあ、終わりにしようか。」
ガブリエルは剣を抜いた。
一方、シーラとミカエルの戦いで、劣勢に立たされているのは--
--ミカエルだった。
「くそ...」
強い...ミカエルは歯を食いしばった。最高位にある天使長のミカエルですら、シーラがこんなに強いとは思わなかった。
そもそもなんで彼女を追放したんだ?彼女を仲間にしていれば良かったのに。
「これがヤハウェの狙いなんだろうな...」ミカエルは苦笑した。
「ミカエル兄さん...」
「ちっ...!」
カン!!シーラが振り下ろした恐ろしい鎌に、ミカエルは手を挙げ、腕の甲冑で鎌を受け止めた----
「うっ...!」下への力が強すぎて、ミカエルは驚いて近く十メートルも落下した。
「...さらばだ...」シーラはそのまま勢いに乗り、鎌を振りかざして突進した。
「させるか!」ミカエルは手を伸ばし、魔力を集めてシーラに対抗した。
私は...ここで死ぬわけにはいかない!
魔力弾の爆発で巻き上がった煙幕を利用して、ミカエルは翼を羽ばたかせ、なんとかシーラと距離を取った。
「できることなら、ヤハウェに一言文句を言いたいな-------!!」
ガブリエルの聖剣がベルゼブブの首に届く直前、黒い魔力弾が現れ、聖剣とぶつかり爆発した。
「あらあら、危ないところだったね...」ベルゼブブはおどけて笑った。「これは罰だよ。」
不吉な純黒の包囲網がガブリエルに襲いかかった。
「危ないと思うなら、来るなよ...」ガブリエルは黒い網を無視し、聖剣を握り突きを放った。
「おぉ...」周囲の黒い魔力が引き戻され、突きを防いだ。
「お前は本当に面倒だな、そもそもなんで堕天したんだ...俺を困らせるなよ...」ガブリエルの死んだ魚のような目は、スーパーで売っている鮭の頭よりも死んでいた。「ヤハウェもお前を許すわけないし...そうなると、やっぱり倒すしかないよな...家に帰りたい...」
「うっ...」その発言のツッコミどころが多すぎて、ベルゼブブは目を細め、「お前が『怠惰』の魔王の座に就いたら、熾天使よりも相応しいだろうな。」という視線で彼を見た。