表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタズマキア  作者: 9489
4章「さよならH.C」
44/51

PARANOIA RED

「お前を殺す為に全てを捨てた」



紅い悪魔、

亡霊を執拗に追い続ける破壊者。





「しらねぇ!!!関係ねぇ!!!!」

亡霊は腕を振り回すと、いつか見た旋風。



逃げ場のない上昇攻撃に打ち上げられる悪魔。

その先を狙うかのように先回りする腕に叩きつけられると地面に衝突した。



砂煙が薄く舞う中で追撃で数発突き刺していく亡霊。



「次はお前だぜ、サンタナ」

亡霊の殺意がサンタナに向かう。



「まだ彼は終わってないみたいだよ」

その言葉に反応し、跳ねるように移動すると

背後から眩いほどの光線が通り過ぎていた。



「無くなったと聞いたレーザーランスはこいつのモノになったってか」

「相棒にプレゼント、と思ってね」



「いうねぇ、泥棒」

売り言葉に買い言葉、悪魔へと腕を伸ばす。

「お前のいう相棒は叩きのめしてやるつってんだよ!」



顔と胴体に突き刺さる腕、耐えるようにランスを前方に振り回す。

「話に聞いたことあるぜ、まだ試作品だから連射はできないってな」



亡霊の言葉は図星だ、だがそれで止まるような悪魔ではない。

それよりも顔に拳を突き立てられたことを怒っているような所作をする。



「無口でつまんねぇな、恨みがあるなら話せばいいだろうが」

安い挑発、すると悪魔の動きが止まる。



《・・・》

聞こえる機械音、マイクをオンにしたようだ。



「お前相手に手加減するほどバカじゃないんでね・・!」

不意打ちで叩き込む。



しかしそれはしっかりと掴まれる。

《・・・お前の挑発に乗らないほど、俺は穏やかではない!!》



腕を横に離し、突撃。

飛び膝蹴りが亡霊の胴体に刺さる。

《あんまり調子乗るなよ???俺はお前を殺したくて殺したくて仕方がない!!!憎い、イライラする、同じ場所にいること自体が許せない!!!!》









「…まずい」

エムナに応急処置をしてたが亡霊を案じて飛び出すトム。



「いかせないよ、あいつの邪魔はさせない」

半壊のサンタナが立ちはだかる。



「ジャマだ!」

「邪魔する為にいる」

トムの攻撃をサンタナが捌く。



しかし銀泡が悪魔に届かないように使えない自分の腕を盾にしていく。









続く悪魔の連撃。

《ずっと待っていた、お前をボロ雑巾のようにする事を、いつもいつもいつもいつもーーー!!!》



倒れた亡霊にのし掛かり、マウントを取る。

《黙ってたのは気持ちを抑えられないからなんだぜ、バカが!!!》

《その自分は何でも見透かしてます、みたいな表情が許せん、俺を認めろ、俺を崇拝しろ、俺に怯えて生き続けろ!!!!》



振り下ろした拳、動かない亡霊からは血が薄く跳ねる。



《女が殺された?こんなもんじゃねえよ俺の苦しみは!!!お前の持ってるもの全て奪ってやる、皆殺しにしてやる!!!!全て手に入れて、お前は俺に勝てない事を証明させる!!!!!》





亡霊は動かない。

叩きつけられた悪意、

彼が過去に何をしてきたか、彼が過去に何をしてきたか。

それはこの二人しか知る由も無い。





《アヒャヒャヒャヒャ!!!この日を、この日をずっと待っていたんだ!!!!俺がメロウに!!!俺がメロウになるんだよ!!!!!!!メロウを越える!!!!!!!俺こそが最高で最上だ!!!!!》





すると飛んでくる腕、

自立起動する右腕が悪魔を小突く。

マウントを取っていた姿から上体を崩すと、

どこかで見た事のある腕の主が立っていた。





「この場所、預からせて貰いますよ」





白雪合で亡霊に立ちはだかった傭兵はくわえ煙草の煙と共に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ