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ファンタズマキア  作者: 9489
3章「白雪合編」
31/51

standing in the storm

「あっひゃっひゃっひゃっ!!これはすごいなぁ、白天華。レベルは10まであるのに2で全滅寸前ってか」



「みろよサンタナ、まだやるってのかい?」



下衆な笑顔を振りまくメシア。確かにこれ以上やっても意味を感じないと思うほど圧倒的な力だった。





スノウはまだ意識があった。

腹部を刀で貫かれた、適切な処置と外気の刺すほどの冷たさで気が紛れた。

実験の内容は人体強化、能力向上とあるがそれが作用したようで致命傷ではなかった。



周りの光景、自分の為に戦って散っていったものばかりだ。



昔から、「お前は花だ」と育てられた。

美しく人と関係ないところで輝きを放ち、魅力を振りまく。

戦うことはせず、奪うことはしない。



生まれた時から愛されるように育てられた彼女は、たくさんの争いを見ていた。

自分の為に人は戦って当たり前だ、しかし人の争いの禍根となる自分が憎いと。



だが、この男はなんだ。

亡霊は立っていた。



「いけるか、スノウ」

ほぼ初対面だった。自分の魅力に取り憑かれない存在は初めてだった。



「…ミスティはここまでお前のために戦った、俺らで仇は取るぞ」

無駄だ、彼の脚の腱は限界だ。肌が見えるところは傷や砂まみれだ。



なぜここまで。



「スノウの事も心配しながら、俺を守り抜いたんだぞ、手伝え」

歩み出す亡霊には、振りかざした吹雪がぶつかり続ける。



「やるじゃないの亡霊、流石の成功品だ」

メシアは言葉と反対の姿となっている男に嫌味を吐いた。



メシアの背後から伸びた尻尾が亡霊に這い寄る、が



「いけ、サンタナ」



伸びたワイヤーを拳に阻まれる。

「人使い荒いってなぁ」

力任せにそれを引きちぎる。白天華を以ってしても近接でダメージを与えられなかったサンタナ。近寄ると脅威であることは変わりないようだ。





あと2m、怒りで発熱してるからこそ近寄れた距離。

「がんばったね、ここまでの吹雪の中」

でもと続け、刀に目を取られすぎだなぁと腕を近づける。





「さよなら、もっと遊びたかったけど他にも因縁の敵がいるから時間ねぇわ」



メシアが向けた手のひら。

一瞬火花をあげる







そして爆発、









爆風が開けるとメシアの腕が粉砕していた。

狼狽える男に、亡霊は告げた。

「俺の腕の一部を爆発穴に入れた。そこで衝撃を引き金に鱗が暴れたのさ」



亡霊の生まれついての片腕は、装甲を弾き飛ばし血塗れになっていた。

「ああああああああ!!!!!」



斬りかかるメシア、爆風でまだ熱を帯びた血塗れの手を振る。

血による目潰しだ。飛ばされた血はすぐに凍りフラつくと、

「いまだ!!!」亡霊が刀を奪い取った。



そしてその刀を空に投げる。









そうする間に殴り飛ばされた亡霊は地に伏せた。



「…あとは任せたぜ、お嬢ちゃん」









刀を握るはスノウ。



スノウは走り、一閃。













メシアはその姿のまま氷像となった。

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