デートその3
『モッツァレラ様ぁ♡次は遊園地に行きたいですわ。』
『遊園地ね遊園地。そういうと思ってもうチケットを2枚分購入してるさ』
『きゃあああなんて用意周到な方なのー(キラキラキラキラ)』
『これが愛の力だよ』
鼻血出血大サービスぶはぁあぁぁぁあぁぁ
なんてかっこいい人なのかしらモッツァレラ・チーズギュードン様は!
『そんなにぼくのために鼻血出してくれるなんて、照れるな』
夢の国 ハハーパーク。リア充の巣窟にしてギルド会場。名物は剣闘士同士が牙を交えるコロセウムで、人形になってしまった人間たちが暮らすヤバい設定のテーマパーク。その裏ではとある海賊ファミリーが大江戸の国との貿易のため暗躍しているらしいが、あくまで噂で真相は不明
というかそんなこと知ったこっちゃない。僕はペロリに幸せなデートをプレゼントする、それだけだ
『モッツァレラ様モッツァレラ様、観てくださいあのジェットコースター!早く乗りたいです』
『順番待ってからなペロリ。人をぬかして席を先取りするのは貴族の恥だからな』
『わかってますよ。モッツァレラ様と早く楽しみないなぁって』
キュンっ
モッツァレラ心ドキドキ。しかし平常心平常心、貴族が鼻息乱したりBKしたりなんかもっての外だから
『来やがったなモッツァレラ・チーズギュードン、今日こそお前を亡きものにしてやる』
モッツァレラとペロリが列に並ぶ中、後ろから怪しい影、刺客が忍び寄る
ころころころ
『モッツァレラ様、何か転がってきましたよ』
『タンブルウィードが風に乗って愛を運んできたのさ』
『西武劇でよく見るあの転がる草じゃなくて..何か手榴弾みたいなものが』
『ほう、ほんとだ。ものモノホンの手榴弾だ』
『えーーー!!?本物なんですかぁぁぁ、いったいどうしたら』
『こうするのさ』
モッツァレラは恐れることなく手榴弾を掴む
『まさかあの海に投げてドカーーン、サプライズ花火!?』
『ありきたりだね流石にそれ、正解はこう』
ズボンをずらす。フルチン状態。手榴弾を尻の穴に埋める。背中を下ろす。下半身に力をこめる。
『ペロリ、俺の背中に乗って、最高のアトラクションを見せてあげる』
『あぁ!人間ジェット』 ガッテン
背中に乗ったペロリ。モッツァレラは尻に埋めた手榴弾の爆破エネルギーで高く飛翔する。空まで大きく駆け上がる。
両腕を広げてスカイダイビング。さながらハウルのごとく空を優雅に飛ぶ。ちんちんぶらぶら冷たい空気にさらしながら
『まぁああ!お空ってこんなに気持ちいいのね!地上が小さくみえますわ』
『なにぃぃぃぃ、あいつらなにやってんだぁぁぁ!?』
これにはさすがに地上の人たちも、手榴弾仕掛けた刺客もびっくり。やばいを通り越して逆に素晴らしい。人類の叡智だ。
『そろそろ降りるねペロリ、ぼくのムスコが寒いってさ』
『あらまぁ、お布団でもかけてあげましょうね』
離陸場所はジェットコースター最後尾。貴族たるもの順番を守らなきゃ恥。
離陸した先には刺客が尻もちしてこちらを仰ぎ見る。
『あなたが私たちに手榴弾をくださった方なのね』
『は、はいっ!』
刺客はやけに笑顔なペロリに怯える
『楽しかったわ。もうひとつ頂戴』
『いや誰がやるかよこの人外カップルが!』
『キミはいったい誰なんだい?なんで手榴弾を投げたのかな?』
『あ、ある者にお前らを殺せって命令されたんだ。俺は報酬を受け取りたかっただけ』
『ある者?いったい誰なんだそいつはぁ』
『知らねーよ、俺はただ雇われt...』
ぐさっ
刺客の頭にめっちゃ尖った薔薇が刺さった
そのまま刺客は倒れた
『キャアアアアアアアアアアアアアア!!』
ペロリ悲鳴を上げる
『落ち着けペロリ、まず尻を舐めろ』
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺ
『平常心戻りましたわ』
『いったいなにが起こっているんだ...』
『なんだかんだと聞かれたら』
薔薇咥えた、貴族みたいな人物がこちらに近づいて来る
『お、お前はっ
カルパッチョ男爵!!』
よい子はマネしないでね