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雨が降っていた。
黒い空が私たちを包んでいた。
ああ、また雨か。
雨は、嫌いだ。
まるで、自分の涙のようだったから。
悲しそうで今にも泣き出しそうだったから。
だから、こういう日は空を見なかった。
ずっと俯いて、人とぶつかって、こけて。
ただ虚しいだけで、それ以上の感情はわかなかった。
家に帰るのも億劫で、だらだらと歩く。
「ねぇ、遅いんだけど」
狭い道で、後ろを歩く少女にいわれた。
面倒だな。
そんなの知るか。
ダラダラと歩く。
世界が私を恨んでいるようだった。
いや、恨んでいるのだろう。
これは、全て、お前らのせいだ。