表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛しすぎたバイク乗り(今ではトライする人も居ない運転免許の取得方法)  作者: 夢未太士
第2章 北海道ツーリングその1
79/90

鍋料理

鍋料理


夜遅くしかも前日予約のアポイント無しという、迷惑極まりのないライダー2人。

今なら俺達2人を受け入れる宿は無いだろう、だがそんな2人を暖かかく向かい入れ夕食の代わりに鍋料理を出してくれた、1984年当時の事なので不確かだが地鶏の肉だったかもしれない。

その夜はビールを飲みながらお互いの無事を確認し鍋に舌つつみを打ちつつほろ酔い気分になって行く2人、1時間後床につくとあっという間に就寝したのを覚えている。

いや~就寝してしまうのが早かったので、何をその晩語ったかは今はもう思い出せない。

次の日俺たちは朝早く目覚めた、朝6時に起床したのは前日寝入ったのが12時前だったから、もちろん朝食もいただいた。

俺たちは朝食を早めに済ませ出発の用意の前に愛車の点検を行った。

昨日無事にここまで走り抜けた相棒を見るとさすがに走行距離900k、走行時間約20時間の泥れはすさまじい。

当時の俺の相棒はXJ750E、このバイクは750ccでありながらコンパクトで小回りが利く、このクラス唯一のシャフトドライブ、燃費は当時最高で32kまで伸ばしたことがある、もちろん安全運転走行時の記録だ。

GX750から受け継いだ駆動方式、上のクラスにはXS1100があるがヤマハはこれら大型バイクにシャフトドライブを結構採用していたのを覚えている。

宿のおかみさんに水道の使用を許可してもらいタンクバックから雑巾を取り出す。

皮つなぎでさえあれほど汚れていたのだバイクは相当汚れているはず、見ると特にヘッドライトとマフラー周りはひどい汚れだった。

下北半島までの海岸線で陸奥湾を左手に見ながらアクセルを回したとき、いったい何匹の虫をあの世に送った事だろう。

夏、時には少し大きめの昆虫も目の前に飛び込んでくる、それはカブトムシだったりクワガタだったり。

シールドに着いた汚れはバッタやトンボの内容物、緑色や黄色の体液をこれでもかとまき散らしてくれる。

バイクのビキニカウルにはベッタリとそれらの跡が残り、朝食後の30分は2人してバイクの清掃時間となった。


「やっぱスゲー汚れたな」

「ああ海のところでバキンって言ったぜバキンって」

「もしかしてカブトムシか?」

「ああ多分それしか考えらんね~」

「シールドも汚れてたよな」

「でも何とかたどり着いて良かったよ」

「十和田湖で電話かけておいて正解だったな」

「ああ青森についてからじゃ絶対むりだ」


俺たちは最悪野宿をしても良いと言う計画をしていたので断られればそうしたのだが、昔の若者が行くツーリングは野宿も当たり前のそういう無謀なツーリングが多かった、一応寝袋も常備しているが俺たちはテントまでは持っていない。

東北や北海道には屋根付きのバス停や無人の駅舎などが点在しており臨時の休憩所として使う事ができるからだ。

朝、外から宿を見てみると、夜には分からなかった和風の建物は結構新しく、もしかしたら最近(1984年)建てられたものではと感じた。

この日俺たちは下北半島の突端にある大間崎へ行きそこからフェリーに乗る予定だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ