1日目のスキー
1日目のスキー
ゲレンデのセンターハウスで遅い昼食を摂る、この時代のゲレショクと言えばなぜかカレーだったりする。
運動した後のカレーはやたら美味しい、ラーメンという手もあるが、やはりカレーが一番だろう。
ちなみに3人共に同じ物を頼んだ。
「おなか減ったね~」
「やっぱりカレーなんだ」
「出てくるのが早いし、結構うまいからね」剛士
「でも2人共やっぱり上達早いよ」
「ほんとう?」
「ああ」
「だってもうボーゲンは完璧だし、リフトに乗るのもいちいち止めなくなったし」
そう初めの数回はリフト乗り場でこけたりしたため、その度に係員が緊急停止のボタンを押す。
俺も2回ぐらい迷惑かけたしミクも3回以上止めてたりした。
ミクの場合最初から係員が警戒して予め止める用意をいたこともあるが、最初のゲレンデは初心者用と言う事もあり、他のスキー客も同じようにリフトを止めていたこともあり、それほど迷惑とは感じる事はなかった。
「食べ終わったら少し上まで行ってみようか?」
「上の方は上級じゃないの?」ミク
「上級用はそのまた上だよ」
八方尾根は裾に広がるかなり広いスキー場だ、手前は7本以上のリフトがありその裾野は2kぐらいある。
センターハウスから少し離れた場所からペアリフトとシングルリフトが伸びており、その先には又ペアリフトで登っていく。
写真で見たことのある大きなコブコブ状のゲレンデは、センターハウスから伸びるゴンドラに乗っていく形になる。
多分剛士のメインはそっちなのだろう、初心者の御守を押し付けてしまって申し訳ないが、あと少しすれば剛士の手を煩わせることもなくなるだろう。
そのぐらい俺とミクは上達が早かった、まあ板と靴の相性は次回までの課題にしておくしかないが、まずは何とか滑れたのは剛士のおかげもある。
食事を終えて剛士の誘いで次の中級コースへと行ってみた、そこは下まで一気に降りると1kのダウンヒル、途中小山を少し回るようなコースで少し狭くなっている。
そこからはさらに上へ行くリフトが伸びており、そちらは上級用のゲレンデとなる。
中級用のゲレンデと言っても斜面の角度は25度を超すので、初心者にはやや注意しながら下りないとスピードが増す為足にかかる負担が大きい。
まあボーゲンのみで降りるならばさほど問題はないが、俺よりもミクの方が上達が早いため。
彼女はすでにパラレルへと滑りを変えていく、足がほとんど平行の状態で滑っているのだ。
「ミク早え~よ」
「あはは」
俺は少し足を広げたまま剛士とミクに付いて行く、そうしないと板が交差してコケるからだ。
でもスピードを出すためには足を少し広げて平行にしなければならないので、少し恰好が悪くなるのは致し方ない。