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サボテン公園かバナナワニ園か

２日目夕食は和食だった二日目もフランス料理と思っていたが、それは考えてみればあり得ないことがすぐわかった、聞くところによるとフランス料理のコースだけで東京で食べれば一人１万円はくだらない。

それが二日も堪能出来たら宿泊客は大喜びだろう、慣れない初心者にはやや敬遠されるかもしれないが。

それでもコース二日分で宿泊費を大きく上回るサービスになる、今なら連日予約で埋まるだろう。

と言う事で２日目は食べなれた和食海鮮となった、それでも中身はかなり豪華だと言っておこう。

キンメダイの刺身と煮つけそれから何の魚かわからない刺身の盛り合わせ。

そしてイセエビのグリルなどなど、金額的にはさほど変わらないと思うのは俺だけだろうか。

「昨日のコースも良かったけど今日も美味しいね」ミク

「私はこっちの方が安心するわ」ようこ

「そうなんだ、覚えておくよ」剛士

その後は温泉に入りそして夜は窓の外に目をやりながら翌日の予定を話し合う。

ガタガタ

「風が出てきたわね」

「ああ天候が崩れてきたようだ」

「ああそれで明日なんだけど、２択で行こうと思う」

「２択って？」

「サボテン公園かバナナワニ園か？」

「それって同じ場所じゃないの？」

「そう思っていたんだけど違うんだな～」

「両方は無理よね」

「そうなると剛士が大変になる、２か所回ると東京につくのは夜８時を過ぎると思う」

「そうね暗くなる前についた方が楽よね」

「それで２か所なんだが、俺はバナナワニ園にしたいと思う」

「その根拠は？」

「明日は雨だろう多分、下手すると大雨になる」

「この感じだとそうなるかもね」

「どう違うんだ？」

「サボテン公園は山の上でサボテン自体は温室の中だがあとは全部外なんだよ」

「じゃあバナナワニ園の方はほとんど温室の中ってことか」

「そういう事、もちろん天候によって開園時間も変更になるかもしれないから行ってみないことにはわからないけどね」

サボテン公園は山と言うか丘を開拓し作られている温室が数か所にあり基本植物園なのだがその規模から外を歩く場所が多い。

だがバナナワニ園は山の中腹みたいなロケーションでほぼ温室の中を見て回る。

行ったことがある人ならばすぐ想像できると思う、今はどちらも鳥を飼っていたりレッサーパンダを飼育していたりするが、当時は動物の飼育と言えばワニ園の方が有名だった記憶がある。

２か所の距離は直線距離で１０ｋちょっと、２つ見て回ることも可能なのだが、最終日は帰ることも視野に入れなければいけない。

「ワニか、生で見るの初めてかも」

「あたしも」

「俺はどっちでもいいよ」剛士

「今回は安全に行こう、天候が悪くなればそれだけ運転もきつくなるからな」

「確かにそうだな、じゃあバナナで行こう、ウキッ」

「なにそれ～」

「せっかくボケたのに」

剛士がようやくノリでボケてみたが、洋子ちゃんは少しあきれているような様子、まあ彼女は多分表情とは裏腹に剛士の仕草にリラックスできているのではと思う。

俺は明日の助手席に洋子ちゃんを推してみることにした、まあ剛士があまり硬くなるようなら途中で交代すればいいとそう考えていた。