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フレンチ堪能後

フレンチ堪能後


フレンチのコースは初めてと言う事もあり味は残念ながらよくわからなかった、まずいとか美味しいとかではなく。

周りの雰囲気に気圧されて初めての味に、俺の脳はどちらかと言うと判断できないと言った所か。

まあそれでも剛士が最初にレクチャーしてくれたおかげで大きな粗相もなく食事を終わることができた、今思い出せば豊富な海の幸がきれいな盛り付けをされ一品づつ運ばれてくるのは俺には贅沢な気がする。

そしてその後レストランから立ち去ると、その廊下ではいつの間にか剛士と洋子ちゃんが冬山の話で意気投合している姿が。


「ねえりゅうちゃん、スキーって私でもできる?」

「やってみないと分らないよ、俺もまだ行ったことないからね」

「ふ~ん」

「でもうまく剛士君と洋子ちゃん話が合ったね」

「まあどこかに共通点があるとは思ってたからね」

「じゃあ冬はスキーデビューだね」

「ああ後で何が必要か聞いてみよう」


その夜は洋子ちゃんに家へと連絡をしてもらい、ちゃんと約束を守る。

それからは俺たちの部屋へと招き入れ今後の話や旅行の話で夜は更けていく、特にスキーの話は剛士と洋子ちゃんの中ではかなり盛り上がった。


「で何が必要なんだ?」

「そうだな最初はウエアとブーツかな」

「なんで?」

「まあウェアは当然冬用の服が必要だよな防寒具としても、そしてパンツが絶対要る」

「スキーパンツねサロパンと言われているわね、普通のズボンやGパンではすぐ濡れてしまってびちょびちょになるからよ、それに汗もかくからちゃんとしたウェアーは必要よ」

「それっていくらぐらい?」ミク

「最低3万ね上下で」ようこ

「そのぐらいなら何とかなるか…」

「それとブーツだが、これはしっかり選んだ方がいい」

「ブーツってあの硬そうな靴だろ」

「ああ俺はほぼまっすぐな足なのでそのままか内側に少しカント調節すればいいが日本人の足はほとんどがオー脚だからかなり内側に入れ物を増さないとまっすぐにならない」

「そう、そうしないとボーゲンしかできなくなるのよね」

「じゃあその時になったらみんなで買いに行くか?」

「そうしよう」


約3時間夏なのに冬の話で盛り上がる、時はようやく関越トンネルが開通した時期、その数年後ようやく東北自動車道も全面開通した。

考えてみればこの頃はガソリンも安くモータースポーツもどんどんエスカレートしていったのを覚えている。

仲間の中にはレーサーを夢見て毎週菅生や茂木と言ったレース場へ出かけていく知り合いもいた。

近くのバイク屋に行くと必ずそういう夢を持った若者がいたのだ、今ではなかなかお目にかかれないが。

中にはワンボックスに125ccのレーサーを積み片道4時間以上かけ、レースに参戦する若者が何人もいた。

俺たちは夜に大垂水峠へと走りに行っていたのでそういう仲間の中には必ずレーサーになる夢を持った若者がいたのだ。


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