試験場のショートコース
試験場のショートコース
バイクのコースは本コースの6分の1ぐらいしかない、縦横に40メートルぐらいの小さいコースだ、そこに一本橋そして波状路、その向こう側に坂道発進などがあり真ん中には交差点が作られている。
それらのコースを順番にトライしていく、まずはエンジンをかけバックミラーを確認。
この時バックミラーを見るだけで良いというわけではない、ちゃんと自分の頭で振り返り確認するのだ、後ろから後続車が来ていないかの有無を、そうしないと減点を食らう。
そして試験官の行ってよしの合図で発進、先頭のバイクに乗車した場合5メートル走行後すぐに一時停止。
この時ちゃんと止まって片足を地面に付け左右の確認をしないとまた減点を食らう
そしてまずは右折して10メートルほど進みすぐに左折し中央の一本橋と波状路のエリアへ。
ここまでは慎重に20キロ+ぐらいのスピード、そして中央の一本橋レーンに入り10秒以上。
そう10メートルの一本橋は10秒以上で渡らないといけない、これ中型だと一本橋から落ちなければやや早めに渡り切っても大丈夫。
だが限定解除は10秒以上、ここで10秒以内で渡るなら大体は終わる、そう一本橋がダメな場合も合格はまず無理だと言っておこう。
そして一本橋が終わるとすぐに波状路、ここで注意したいのは腰だ。
一本橋が着座姿勢で足をタンクにピタリと付けるのに反して波状路は競馬のジョッキーの様に中腰になって上下する車体の緩衝を体で受け止めないといけない。
さらにスピードも速すぎても遅すぎてもいけないのだ、この2つが最初の難関。
もちろん受験者の数人がこの2つで失敗する、多いときは約半数がこの時点で試験を落ちてしまうのだ。
波状路が終わりすぐに一時停止、この時中腰から着座までがスムーズに行われないとすぐに一時停止するのが難しい。
そして交差点のある道路へと右折、ここからは試験官の度量や判断で少しコースが変わることがある。
大抵は次に交差点を右折するが、他の受験者がコースにいる場合順路を変更することがある。
自分だけがその時間帯に受験に来ているわけではなく中免の受験者も居るのだから。
その後でS字路とクランクを走る、ここでは立てられたパイロンを倒さないこと、それだけだが。
スピードを落としすぎるとノッキングしてエンストを起こし立ちごけとなる場合がある、もちろんクランクも同様、確か2速で25kぐらいだった気がするが、当時は何度となくここを通り過ぎたので細かいスピードは思い出せない。
その後は坂道発進、そこを終えると一時停止後すぐ右折、そこから外周を回り大外の金網越しにこのコースの最高スピード40kまでスピードを上げ短制動(急ブレーキ)。
この短制動も曲者で、大型の試験車両はよく整備されている、そうブレーキの利きは自分が乗っているバイクよりはるかによく利く。
なので半分のライダーが制限速度に満たないスピードで終わるかまたは後輪ロックで終わる。
もちろん38kまでしか出さなかった場合も、後輪がロックした場合も不合格となる。
ここで大事なのは思い切って45k目指してスピードを出すこと(体感的に)、それでも42kくらいしか出ない、それとブレーキの前後割合を変更すること。
通常路上でかけるフルブレーキングは後輪50%前輪50%なのだが、後輪はこの割合だと絶対ロックする、それはなぜか?ブレーキを掛けると後輪が抜重してしまい前輪に重さのほとんどがかかるようになる。
そのため後輪にかかる重さが少なくなり同じ強さでブレーキを掛けたつもりが後ろの方が強く制動がかかってしまうのだ。
俺も何度かこの状況になり最終的には前80%~90%、後ろ10%の割合でブレーキをかけることにしたのを覚えている。
そしてすべてのエリアを無事終え外周を回ると発車地点へと帰ってくる、この間約4分と少々。
いや体感的にはもっと長く感じた気がするが、それだと30人という受験者をこなすのにかなりの時間がかかるだろう。
まあ今は試験官も後ろからついてくることは無いようなので楽になったと思うが、昔は常に後ろから見られていて、まるで白バイに追い掛け回される気分だと感じた人はかなりの数いたのではないだろうか。