本免一発
本免一発
本免許の試験当日、俺は朝9時半に試験の申請をしていたので朝9時に家を出る、いつものようにバイクにまたがり試験場へ。
朝の試験場は免許の受験と更新でかなりの人数でごった返す。
まずは列に並ぶ前に申請用紙を受け取り写真と収入印紙を数千円分買い用紙に張り付ける。
その後目の検査をして書類を提出、受付印をもらい試験の順番を見て本免許へと挑戦することになる。
本免の試験車両は受験者が3人乗り込むと試験場のコースから一般公道へと進んでいく。
今まで走っていた貸しコースや教習所の仮免のコースと違い一般の道路はかなりの解放感だった。
「はい次は北沢さん」
俺の順番は2番目、先の人が一通り走り終え試験管は次の受験者と交代の前に点数をつけていく。
「それじゃ椅子を合わせて発進して下さい」
俺はこの時 超慎重になっていた、それは前日に個人教授の教官から危ないと思ったら絶対待つんだぞって聞いていたから。
そして片側3車線なっている道路の左側から発進する、右にウィンカーを出し待つこと1分。
そう1分は結構長い時間に感じる、だが出ようとするとバックミラーにはそれを遮るように後ろから車が進んでくる。
初心者の横を通るのにわざわざ車線変更までしてくれるベテランドライバーはいないといってよい。
すべての後続車がいなくなる赤信号になるのを見計らって発進、それから数分運転し今度は3番目の人と交代。
はじめは受からなかったのではと思っていたが、最後の試験管の一言。
「何故出なかったんですか?」
「後続車が来ていて危険だと思ったからです」
結果本免一発合格、やはりあそこで無理やり出なかったのが功をそうしたらしい。
俺はそのあと免許交付のために今度は写真撮影へと進む、その後は午後の免許証を受け取るまでバイクのコースを金網越しに見ていた。
いつものようにバイクの試験はかなりの人数が受けに来ていた、中型で30人大型も30人、
コースで使うバイクは6台、見ていたらその日は一人のライダーがへまをやらかした。
発進時に他のバイクに接触して行ったのだ。
そのバイクはCJ360HONMAのバイクでこの時期試験場の試験車として使われていたバイクだ、俺の時はDB350だった、そしてその試験者は大型のバイクが止まっている先頭までの3台のバイクをなぎ倒してしまった。
試験場のバイクは一般に乗っているバイクと違い転倒時にケガがないようにそしてバイク本体が壊れないように大きなバンパーガードが左右に4本出ている。
と言うことは試験ではありえない一般公道のすり抜けなどのタイトな運転を経験していても。
この場ではその感覚で出ようとすると他のバイクに接触しやすいのだ、ほかの停車中のバイクにも同じようにバンパーガードがついているのだからね。
もちろんその時なぎ倒した彼はその場で終了、無駄に1500円という試験料を払ってしまうことになる、もちろんバンパーがついているバイクは倒されても本体までは壊れないので修理費の請求はないのだが。
彼は当然その1回で思いだろう自己流ではだめだと。