30/90

美容学校卒業

そんな時間が過ぎていく、ミクの美容学校は１年で卒業後はインターンと言う形でどこかのお店で１年間働く。

今は美容学校も２年制になりインターンは無くなるが、だからと言って美容師になる試験が簡単になったわけではない。

今は勉強する項目も増えて２年間みっちり覚える事も多いそうだ。

ある日の電話

「それでお店は何処にしたんだ？」

「駅前のチェーン店だよ、近いし」

「そうか、でも火曜日しか休めないのか…」

この頃の美容師のインターンは初任給１０万が良いところ、小さな店だと５万なんて所もあった。

「じゃあ学校帰りに一緒に帰ろう」

この頃はデザイン学校も２年目に入り勉強する内容もどんどん難しくなる。

俺はこの時からグラフィックデザインの方へどんどん傾倒して行き、休みの日には家で絵を書くことが多かった。

勿論、高志と剛士から誘われればツーリングに行っていたが。

月に１回行ければよいぐらい専門学校の勉強も多くなっていた、高志も同じようでかなり参っていたが。

３人でのツーリングが俺たちには生き抜きになっていたのは言うまでも無い。

「そうか美容室は火曜日が休みだもんな」

「ああ」

「今度火曜日が祭日だったら皆で一緒にどこか行かないか？」

「バイクでか？」

「いや俺が車を出すよ」

「おお～」

「いいのか？」

「大丈夫だよ、俺は車でも安全運転だから」

「俺にも運転させてくれ」

「少しならいいが、一応親の車だから安全運転しないと貸せないぞ」

「それは任せてくれ」

季節はめぐり又夏休みがやって来た、その年は我慢の年となった。