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安全に帰る

安全に帰る


帰りの道は昨日とは打って変わり非常に楽だった、それは天気が曇っていた事にもよる。

だが天気予報によると東京側は午後から雨の予想。

その為朝は早めに起きると7時には朝食を摂り、8時には来た道を戻る事にした。


「結局何処も見ないんだね」

「俺と高志は基本走りたくてバイクに乗っているからな」

「それって楽しいの?」

「俺らは楽しいのだが」

「私にはわかんないかも」

「もしミクがバイクに乗るため免許を取れば変わってくるんじゃね?」

「う~んそれはどうかな~」

「おいおいあまりたきつけるなよ」

「でも全員乗れれば何処に行くにも楽になるぜ」

「う~ん、考えてみる」

「あちゃ~」


彼女にバイクに乗ってほしいか、欲しくないかと言われるとかなり微妙だ、勿論危ない事をしてほしくないと思う傍ら、同じ事をする事の共感は今後かなり楽しいバイクライフを過ごせる可能性が生まれてくる。

まあ彼女の家の方針もそこにはハードルとして立ちふさがるので、道は険しいと思うのだが。

すべてはミクが決めることでそこには俺の考えなど微々たる影響力しかないのは確かだ。


帰りの道は最初だけは至って順調に進んだが、それも大月を過ぎるまでの話、トンネルを過ぎてさらに進むと富士山から帰るドライバーが増えてきて20号線の峠道は大渋滞。

さらに天候もどんどん悪くなっていく。

俺のバッグには一応合羽も持って来ているのでいざとなったらそれを彼女に着てもらうつもり。

夏場のこの状況で楽なのは、雨が降っても濡れることさえ気にしなければ河童を着なくても済むところだ。

逆に合羽を着ると暑くてむせる為、雨が降っても合羽を着ないライダーは結構多い。

道はとうとう大渋滞、雨脚がどんどん悪くなってきたので小休止してミクに合羽を着させるつもりだったが、その考えはお断りされてしまった。


「え~暑い~」

「いいのか?」

「じゃあ又りゅうちゃんのTシャツでいいよ」


持ってきたTシャツは着ているものも含め3枚、すでに3枚とも使用済みなので、出せるのは昨日着た汗臭いやつしかない、まあ昨日ミクが着たTシャツのみ彼女の香りで若干臭さは少ないのだが…。


「昨日のでいいよ」

「分かった」


今日ミクが着ているのは昨日と同じようなタンクトップだが昨日の着物よりは体を覆う面積が大きいので少し安心していた。

その上から俺のTシャツを着て雨に備える、まあ夏の終わりとはいえまだまだ気温は30度はあるので、風邪を引くとは考えられないが。


「じゃあ行くか」

「うん」


バイクの良い所それは渋滞でも進めるところ、注意しながら走らなければいけないが、渋滞してもバイクならば車の脇をすり抜けて先に進む事ができる。

同じ距離を走っても一般道ではバイクの走行時間は2分の1、東京→諏訪の270kを車なら渋滞を含め6時間以上かかるところバイクならば4時間ちょっとで走破できてしまう。

もちろんそれにはそれ相応の危険も付きまとう、例えば交差点の信号を無視して突っ込んでくる車、渋滞しているとこれらは結構多くなる。

ドライバーも渋滞すればイライラが募って運転が乱暴になるのだ。

そこをバイクがすり抜けるわけだから、反感を買わないわけが無い。


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