初Hはあっという間
初Hはあっという間
食事が終わり、少し赤くなった顔をしながら高志は気を利かせて温泉へと向かって行った。
「1時間ぐらいでいいか?」
「良いって」
「後で感想を聞かせてくれよな」にや
この時のやつの顔はと~ってもいやらしい顔をしていたのを今でも覚えている。
俺は高志が温泉へ行った後ちゃぶ台を片付けて布団を3つ敷くとミクをその一つへと移動させる。
通常温泉旅館の布団は仲居さんが全部敷いてくれるのだが俺は仲居さんに断りを入れ自分でやると言っておいた。
「やれやれ、もう10分過ぎたな」
ミクの浴衣を緩めたその先は、結局30分後滞り無く初体験は終った、ミクはやはり狸寝入りをしていた。
俺が手をかけると起き出し腕を首に絡めキスをしてきた、その後はお決まりのコース。
「りゅうちゃんダイスキ」
「おれもだ」
その後、高志が来るまで抱き合っていたのは言うまでも無い、高志は結局風呂も入ったがその後仲居に頼んで風呂前の待合でビールをもう一瓶開けていた。
まあ戻る頃にはすでに酔いはさめていたのだが、帰ってくるとしつこく聞いてきた。
「ど どうだった?」
「高志君えっち!」
「どうだったも何もねえよ」
「まあいっか、憧れのマドンナの初Hをアシストできたし」
「何だよ憧れのマドンナって?」
「知らなかったのか?」
「しらねーよ」
「ミクはおれらのマドンナで言い寄ってきた男は片手じゃ足りないんだぜ」
「そ そうなのか?」
「なんでこんな朴念仁が好かれるかね~」
ミクが俺に抱きつきながら一言。
「運命だもん」
「あ~やってらんねえな」
「仕方ないだろう」
「まあいいや、おまえらの今後も楽しみだしな」
「それはどういうことだ?」
「それは内緒だよなミクちゃん」
「そう内緒だよ~」
「ずり~な教えろよ~」
その夜は始めての事も忘れまくらを投げあい、酔い心地のまま就寝した。
ツーリングは無事帰ってくるまでが大事だ、それは今も昔も変わらない。
無計画で行くのも若者の特権だというやつもいるだろう、だがバイクは乗り手によって安全という言葉からはかなり遠ざかってしまう乗り物と言って良い。
確かに風になる為の道具としては一番身近な乗り物だろう。
但し安全はバイクや車の責任ではなく、殆どが乗る人間の問題なのだ。
少し手間を掛けるだけで事故率はどんどん減らす事ができる、保険もそれを補填する機能の一つだが。
その前にまずは事前点検も大事だ、俺は手に入れたバイクの点検は必ずやっていた。
タイヤの空気圧やハンドルの取り回しブレーキの効きなどは、いつも乗っているからといって何もしなくて大丈夫などということはない。
日本は四季が有り気温の上下も30度は違う、この頃のバイクはすべてがキャブレター方式空気とガソリンを混ぜ細かい霧状にし燃焼室内へ、ピストンが最上部へ圧縮したところで最大のパワーを得るべく点火プラグで爆発させるのが内燃機関の原理。
この季節と言うやつが乗り物の調子にも大きく影響する、夏はオーバーヒートになりやすく冬はかぶりすぎて中々エンジンの回転数が安定しない。
これらも日ごろの点検でいくらかは緩和できるのだ、俺は冬場に中々エンジンが始動しないとよく点火プラグをはずし付着した液体をぬぐう作業を何度となくした覚えがある。
今の車やバイクならほぼそんな事をしなくて済むので楽だと思うのだが、その代わりバッテリーだけはちゃんと見ておかなければ、まるっきり動かなくなるので注意しなくてはならない。
昔のバイクはバッテリーが無くともキックペダルさえあればエンジンを掛けることが可能だったからだ。