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第72話[落ち込むセッちゃん]

朝、朝食を食べていると母さんからセツコの様子が昨日から可笑しいと聞かされた。

どうやら昨日からあまりご飯を食べていないらしい。

とはいえ、悩みとは無縁のセツコの事だ。

どうせ大した事無いだろうと思っていると……。


「今日、お昼前にセツコちゃんが来るから悩み聞いてあげて」


と母さんから頼まれた。

仕方ない。

サクッと悩みでも解決してさっさと家に帰すか。

そう思い、俺はセツコが来るのを待った。

そして……。


「セッちゃん、あまりご飯食べてないんだって?」


「うん、今朝もパン三つしか食べなかった」


結構食ってるじゃねーか。


「えっと……、普段は幾つ食べてるの?」


「五つ」


微妙……。

二個しか減って無い。

でもまあ、セツコの両親からしてみれば心配なのかもしれないな。

セツコは食べ物を本当に幸せそうに食べる。

きっとセツコの両親はそんなセツコの笑顔を見るのが大好きなんだろう。

勝手な憶測だけど……。

まあ、心配じゃ無かったら俺の両親に相談何てしないか。


「えっと、どうして食べないの?」


「ジャビ君がセッちゃんの事、豚って言うから」


ああ、あのクソガキか。

俺も「やい、へっぽこ勇者」とか言われたっけ。

精神的に大人な俺はルリ姉にチクって、俺の代わりに殴りに行って貰ったけど……。


「卑怯だぞ、姉ちゃんに頼るなんて」


そう言って泣きながら去って行く奴の姿を思い出すと今でも笑える。


「気にする事ないよ」

「セッちゃんは食べても太らないじゃない」


「でも……」


子供とはいえ、セツコも女の子なんだな。


「そっか、ならこのまま食べるの抑えたら?」

「セッちゃんのパパもママも助かると思うし」


「うん、そうするね……」


そう言うとセツコは辛そうに俺の部屋から出て行った。

さてと、セツコも居なくなったし散歩でも行こうかな。

俺は散歩に出かける事を母さんに告げ、家を出た。


「あれ、タッティーナは?」


「何か散歩に出かけるって」


「あのタッティーナが?」

「ポチも連れずに?」


第72話 完


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― 新着の感想 ―
[一言] 化け物なセッちゃんでも、そういう所は乙女なのか…
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