第49話[みっけ君二号]
「もう生きていけません」
そう言って顔を覆う姫様。
体に突き刺さるガラスの破片を全て取り除き、ルリ姉は姫様に回復魔法をかけていく。
そんな中、俺はサナにどうして三号なのか尋ねた。
「いや、それはその……」
「二号は?」
「どんな失敗したんだよ」
「予め聞いておかないとまた変な事が起きても困るからな」
「いや、大丈夫です」
「変な事は起きないでしょう」
「この部屋では……」
この部屋ではだと?
なら別の部屋なら起きるのか?
「いいから教えろよ」
「ですから大丈夫ですって」
「信用ならん」
「早く教えてくれ」
「あー、もう」
「分かりましたよ」
「教えればいいんでしょ、教えれば」
何で怒ってるんだ?
そんなに盛大に失敗したのかな?
「エッフィな本を見つけちゃうんですよ」
顔を赤くし小声で説明するサナ。
成る程な、エッチな本を見つけるんだな。
とんでもない機械だぜ。
俺も……。
ふと前の世界の事を思い出し、額から冷や汗が吹き出した。
えっ、そういや遺品整理とかしてる訳?
ちょっと待って、俺のベッドの下にある大量のエッチな漫画はどうなるの?
甘々な恋愛物からドSロリに責められる物まで幅広く購入したエッチな漫画どうなったの?
かなりマニアックな物まであったんだぞ。
いや、ドSロリに責められてるだけで十分マニアックだが……。
「うぅぅ、我が息子ながら何て情け無い」
「やっぱりタッ君って変態だったんだ」
って母さんとセッちゃんが話してたりするのかな……。
ああ、何で前の世界の記憶があるんだよ。
俺は奇声をあげ、柱に頭を打ちつけた。
「タッくんが可笑しくなった」
セツコ、今だけはその名で俺を呼ぶな。
ああ、忘れろ忘れろ前の世界の記憶。
「ちょっとサナさん、タッティーナに何したの?」
「いえ何も……」
(心当たりがあるならエッフィな本ですが……、タッくんさんはまだ子供、そんな本持っている訳ありませんし……)
「もしや、これもネクロマンサーの仕業?」
「一度気を失わせた方がいいですね」
「セッちゃんさん、お願いします」
「うん、わかったよー」
俺はセツコの拳で気を失った。
ああ、できればエッチな漫画は何処かの異世界に召喚されてますように……。
第49話 完




