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第46話[真夏のハロウィンパーティ]

俺達はサナに無理矢理、王国へ連れられていた。

何でも王族との縁が欲しいとか……。


「そんな不満そうな顔、しないで下さい」

「城下町についたら何でもご馳走しますから」

「言わば先行投資という奴です」


甲高い声で笑うサナを見て、少し尊敬する。

毎日、楽しそうで羨ましいな。

サナが笑ってない日なんて見た事がない。

俺も前の世界でサナみたいに明るく生きていられたら、何か変わっていたのかな……。


「タッくん、泣いてるの?」


「いや、何でもないよ」

「ちょっと目にゴミが……」


「それは大変、ちょっとお姉ちゃんに見せてみて」


そんなやり取りをしながら馬車で揺られる事、数時間。

俺達は城下町に着いた。


「うっわ〜、すっごい寂れてるね」


セツコが言うように以前とは違い、屋台も無ければ人も居ない。

ゴーストタウン化しちまったのか?


「あっ、人がいる」


そう言って指をさすセツコを見て俺は思わずニヤけてしまった。

ジャックランタンの様なカボチャを被り歩き回る人、これってハロウィンじゃん。

前の世界では秋にやっていたイベントだけど、この世界では夏にやるんだ!

俺の住む街ではやんなかったけど……。


「何か様子が変ね」


「ええ、全くの同意見です」


ルリ姉はともかく、サナは旅をしているのにハロウィン知らないんだな。

いや〜、まさか異世界でハロウィンに参加できるとは思ってもみなかったなぁ。

前の世界じゃ、リア充のイベントだったからなぁ〜。


「まあまあ、二人共」

「ここはハロウィンらしく仮装して歩こうではないですか」


そう言って俺はお化けに変装する事にした。


「何か面白そう」

「タッくん、何の変装すればいいの?」


「う〜ん、そうだなぁ、ハロウィンって言えば血は欠かせないよな」


「分かった、血だね」


俺はセツコに顔面を殴られた。

鼻から噴き出す血、俺の口から飛び出す乳歯。

そして俺は白目を剥き、地面に倒れるのだった。


第46話 完


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― 新着の感想 ―
[一言] ええっ、普通に指を少し噛む程度で良いじゃん…。何やってんの、コイツ…
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