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第26話[雨]

世の中は理不尽な事で溢れている。

生まれ育った環境、才能、全ての生物に平等に訪れる死ですら理不尽な事で溢れている。

つまり何が言いたいかと言うと……。

タッティーナ、漏らしました。

テヘッ。

などと一人で考えていると……。


「タッティーナ朝ご飯だけど……」


フッ、ルリ姉。

気付きましたね。

さっきからルリ姉が俺の股間を凝視しているの……、バレてますよ。


「タッティーナ、まさか……」


「テヘッ、漏らしちゃった」


「か……」

「可愛い」

「お漏らしするタッティーナ、すごく可愛いよぉ」


俺に抱きつき頭を撫でて頬擦りをするルリ姉。

ルリ姉の愛情トリプルコンボを受けながら俺はある心配をしていた。


「あの、オシッコつきますよ?」


「平気だよぉ、今は可愛いタッティーナ成分を補給するのが優先事項」


成る程、分かった。

ならこの俺、タッティーナ。

尊敬するルリ姉の為、可愛いさ成分が満タンになるまで協力しようではありませんか。


「ルリ姉、大好きだよ」


「うひょぉー、タッティーナ可愛い過ぎて死ぬ」


しばらく姉に付き合っていたが、そろそろ着替えないと流石に股間が気持ち悪い。


「あっ、そうだ」

「昨日買った服、着てみてくれる?」


「うん、いいよ」


ルリ姉はよく服を買ってきてくれる。

沢山服を買って来てくれるので部屋の洋服タンスには収まりきらず、ルリ姉の部屋の洋服タンスまで俺の服でいっぱいになっている。

そして、普通の服に紛れて何着か……。


「きゃー、可愛い」


女物の服も混ざっていた。

その女物の服を着せて喜ぶルリ姉。

初めは妹が欲しかったのかと思い尋ねてみたが、どうやら違うらしく、可愛い俺に可愛い服を着せたいという事らしい。


「ごめんねタッティーナ、誤解させる様な事をして」

「これからは男物ばかり買うね」


などと言うから俺は……。


「俺着るよ」

「ルリ姉には笑顔でいて欲しいから俺着るよ」

「俺、女の子の服、着るよ」


と言って今に至る。


「ありがとうタッティーナ、お陰で試験頑張れそうだわ」

「あっ後、宿屋の人にお金を渡しておくから、おねしょの事は心配しなくていいわ」


流石ルリ姉、頼れる姉だぜ。

ルリ姉が宿屋から出て行って、俺は女物の服を着替えようと思い、次着る男物の服を選んでいる中、再び扉が開いた。


「ルリ姉、わすれ……もの……」


「ゆ……勇者様?」


何故か宿屋に姫様が現れた。


第26話 完

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[一言] あーあ、見られちゃった…
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