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第36話[恋する乙女]

タッティーナを追いかけるオネェに海賊達が飛びかかり取り押さえる。

オネェは海賊達に反撃をし、二組が殴り合い揉めている中、一人の少女がやって来た。


「何やってるの?」

「あなた達の役目は私とダーリンを結び合わせる事でしょう」


「悪りぃ、だがコイツをヤルのもお前の為でもあるんだ」


「どういう事?」


そう尋ねる少女に海賊の船長はオカマがタッティーナの尻を狙っている事を話した。

すると彼女の全身の毛が逆立ち、恨めしそうにオネェを睨んだ。


「許せない」


「フン、別にあんたに許して貰いたく何て無いわよ」

「気持ち悪い女、何がダーリンよ」

「どうせあんた何か相手にもされてないんでしょう?」


オネェの言葉に少女は下唇を強く噛み締めた。

そのせいか、下唇は切れ、血が流れ顎を伝う。


「いいわ、あなたを本当の女にしてあげる」


「フン、やれるものならやってみなさいよ」


少女は殴りかかるオネェの力を利用し、オネェの体を宙で三回転させる。

地面へ叩きつけられたオネェはそのまま気を失い、少女は近くに居た女海賊の下っ端にアレを刀で斬る様に指示を出した。


「えっ、私がやるんですか?」


下っ端はそう言うと辺りを見回した。

すると他の下っ端達は自分がやらされては、かなわんと思い、彼女から距離を取っていった。


「いいからさっさとやれ」


「はあ、お頭がそう言うのであれば……」


そう言うと下っ端はオネェの衣類を脱がし、下半身のアレに手を伸ばした。

そして……。

オネェは断末魔を上げて目を覚ました。


「その汚ない物、早く海に捨てて来て」


少女の命令に下っ端は吐き気を堪えながら海へと走る。


「待って、私の可愛い息子を海へ捨てないで……」

「まだ魔法使いに頼めば助かるから、お願い、何でも言う事を聞くから、だから……」


オネェの悲痛な叫びも虚しく、息子は海の中へダイビングして行くのだった。


「良かったのかよ」

「コイツの協力が有れば、楽に奴を捕まえられたかも知れないぜ?」


「良いの、だってコイツは私を愚弄し、彼を傷物にしようとした大罪人だから」


そう言って笑う少女を見て、女海賊の船長は脱獄した時の事を思い出していた。


「だけど勇者を捕まえてもお前を愛してくれるとは限らないぞ」

「貴族や王族の様にペットとして飼うのなら、話しは別だがな」


その問いに彼女は笑顔で答える。


「ペット?」

「冗談でしょ、ちゃんと恋人として家族として過ごすに決まってるじゃない」


「でもよ、そうだとしたら逃げちまうかも知れないぜ?」


「だったらまた捕まえればいいだけの事、そしたらもう逃げられない様に両足を切断出来るでしょ」


そう言うと彼女は涎を垂らしながら、更に語る。


「私の容姿が気に入らないのなら、両目を抉り出せばいい」

「あっ勿論、彼の両足や両目は捨てないわよ」

「魔法使いに頼んで、肉が腐らない液体を分けて貰うの、そうすれば愛しの彼の足や目を腐らずに永遠に保存でき、部屋に飾っていられるでしょ」

「愛しの彼の綺麗な足を眺めながら、私を見つめて貰い、安らかな気持ちでグッスリと眠る」

「そして起きたら彼の本体の所に行って、身の回りのお世話をする」

「最高の幸せでしょ」


何処が恋人として家族として過ごすだ。

そう思った事を女海賊の船長は思い出していた。


「今回は逃がしてしまって悪かったな」

「次は絶対に捕まえてやるから、今回は許してくれ」


「うん、わかった」

「期待しているね」


そう言って笑顔を向ける彼女に女海賊の船長は今まで感じた事の無い感情を抱き、思わず頭を掻いてしまう。


(友達って、こんな感じなのかな?)


そんな事を考えながら、女海賊の船長は彼女に向かって「任せとけ」と言って笑顔を向けるのだった。


第36話 完

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