第24話[城下町]
馬車に揺られる事数時間。
俺は城下町に来ていた。
道を歩けば食べ物のいい匂いがして俺はいろんな屋台に目を奪われていた。
「タッティーナ、何か食べる?」
「いいの?」
「うん、お姉ちゃんお金貯めてたし、お父さんとお母さんからお金も貰ってるから大丈夫よ」
ルリ姉、お金貯めてたんだ。
いつも俺の服を沢山買ってたから無いものだと思ってたわ。
まあ、いいや。
それなら……。
「あのネロットとかいう物を食べてみたい」
「いいわよ」
「ネロットね」
ルリ姉と二人でネロットを頬張った。
なるほど、前の世界でいうコロッケみたいな物か。
衣がサクサクで美味しい。
他にもトンカツみたいな物もあるし、この国では揚げ物があるんだな。
って事は旅をすれば米文化の国とかあって海鮮丼や寿司が食べられるかも……。
まあ、肉体的影響で米が無くても何不自由なんて無いんだけどな。
「はい、タッティーナ」
「ジュースだよ」
「ありがとうルリ姉」
そうお礼を言ってジュースを口にする。
「美味しい」
俺の笑顔を見て、ルリ姉も笑顔で返してくれる。
この後も食べ歩きを続け、お城へ手続きをしに向かう。
「本当によろしいのですか?」
「見た所まだ子供みたいですが……」
「はい、大丈夫です」
ルリ姉はそう言うと試験費を受付に支払った。
巾着袋満タンの銀貨に驚きながら、俺はある文面に注目した。
「ルリ姉、お城に泊まれるみたいだよ」
その言葉を聞いて受付の人が俺に視線を向けたその瞬間。
「なっ……、勇者の紋章……」
この後、俺達は王様に会う事となった。
第24話 完
一方その頃セツコはと言うと、一人で洞窟に訪れていた。
完




