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第5話[襲撃]

洞窟から出ると彼方此方に黒煙が立ち上がっていた。

何事かと思う中、隣にいたセツコがボソリと呟く。


「お祭りかな?」


いや、あんなに真っ黒な煙を見てそう言うのはセツコだけだよ。


「成る程、私の儀式成功のお祝いって事ですかね?」


あっ、此処にも居たわ。

セツコと同じ人間が……。


「いや、よく見てよ」

「全部城壁外で立ち上がってるじゃん」


「あれ、本当だ」

「何でだろう?」


「外の方が広いので盛大に楽しめるからでは?」


「流石ソルちゃん、頭良い」


いやお馬鹿だよ。

ウキウキの二人を背に俺はお城に向かい走って行く。

そんな中、ルリ姉がチョコの背中に乗り俺達の前に現れた。


「タッティーナ、儀式は成功したの?」


えっ、まあ……。

儀式っぽい事は何もしなかったけど、一応は光の騎士専用の大剣は手に入れた。

その事をルリ姉に話すと、ルリ姉はセツコとソルティナさんの力を借りたいと言い始めた。

何でも魔物の軍勢が此方に攻めて来ているのだとか。

だからあの黒煙か……。

んっ、待てよ。

ソルティナさんを向かわせれば大変な事になるんじゃ……。


「良いでしょう」

「この新生ソルティナが全ての悪を斬り伏せて見せます」


「まあ、頼もしいわ」


全然頼もしく無いよ。


「取り敢えずソルティナさんはお姫様に報告とかあるだろうし、俺と一緒に一旦お城に戻ろうか」


「ですが私が行かないと皆んなが大変な目に……」


いや、ソルティナさんが行けば被害が拡大する可能性があるから。

などと言える事も無く。

俺は彼女を必死になって説得する。


「戦いたい気持ちは良く分かるが、ソルティナさんには国に住む人々を守ってほしい」

「他所から来た俺達より、ソルティナさんが居た方が国の人々は安心するだろ?」

「だからお願いだ」

「騎士として、この国の人達を守ってくれ」


そう言うとソルティナさんは涙を流し大泣きする。

えっ、俺何か傷つける様な事、言ったっけ?

そう思い彼女に謝ると逆にお礼を言われた。


「誰かに必要とされるのが嬉しくて……」

「分かりました」

「私もお城へ帰ります」


こうして俺とソルティナさんはセツコと別れ、チョコの背中に乗って城壁の上へと連れて行って貰う。

城壁から見渡すと良く分かる。

かなりの数の魔物が此方に攻めて来ている。

万は軽く超えているんじゃないのか?


「お姉ちゃんはチョコと一緒に戦って来るから」

「タッティーナはルタと一緒にサナちゃんのお手伝いをしてあげて」


「分かった」


俺とソルティナさんは城壁の上を走り、サナと合流した。


「タッくんさん丁度良い所に、連射型の大砲、それいけドンドン君が出来たのでこれで魔物達を狙って撃ってくれませんか?」


「分かった」


俺は大砲の中に弾を詰めて、導火線に火をつける。

すると無数の玉が飛び出して行き、魔物達の軍勢に弾が落ちて行き、爆発する。


「凄い、これで遠くの魔物を一網打尽にできる」


「それで私は何をすれば良いのでしょう?」


ソルティナさんがサナにそう聞いた時だった。

タイシ君が現れ、負傷者が多い事を俺達に告げ人手が足りない事を俺達に話した。


「そうですか、なら仕方ないですね」

「タッくんさんとルタさん、そしてソルティナさんはタイシさんの手伝いに回って貰っていいですか?」


「大丈夫なのか?」


「ええ、私にはこの錬金釜がありますし、ルリさんやセッちゃんさんも戦いに向かっているんですよね?」

「なら大丈夫でしょう」

「前線にはジャガルさんも居ますしね」


そうか、確かにサナのサポートにあの三人が居れば安心だろう。

よし、俺も出来る事を頑張ろう。

そう決意して俺達はタイシ君と一緒に城下町にある避難所へ向かう事にした。


第5話 完

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