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第20話[人形]
最近タッくんの様子が変だ。
いつもと違い、妙に優しい。
私はそう思い、二階にあるタッくんの部屋の窓から中の様子を伺った。
するとどうだろうか、可愛らしいお人形に服を着せ替えて遊んでいるではないか。
プププ、タッくんったらお子様ね。
お人形を買って貰ったから最近ご機嫌だったのね。
そうだ、私もタッくんにお人形をプレゼントしよう。
そう思い、私は行動に移した。
「はあ、人形が作りたいだか」
「あそこの古屋にあるのなら好きなだけ使ってくれていいだよ」
「ありがとうございます」
私は古屋に篭り、愛しのタッくんの為にお人形を作った。
ちょっと臭いけど、きっとお人形好きのタッくんなら喜んでくれるよね。
そう思いながら、私は作った人形を手に持ち、タッくんの家へ走って向かう。
「はいタッくん」
「これっ、プレゼントだよ」
「あ……、ありがとうセッちゃん……。」
フフフ、やっぱりお人形が好きなんだね。
こんなに嬉しそうに受け取ってくれるなんて。
頑張った甲斐があった。
また明日も作ってプレゼントしよっと。
第20話 完