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第68話[仲が悪い]

馬車に揺られる中、俺は念の為サナにトランラッタ王国で何か、やらかしてないか尋ねていた。


「ヤダな〜、私を問題児扱いして」

「心配しなくても、ジグロメテア王国の一件で私はこの大陸から逃げる様に去りましたから大丈夫ですよ」


逃げる様に去った時点で問題児なのでは?

などと思いながらも俺は安堵した。

ジャガル騎士団長みたいに恨まれて話しを聞いて貰えない何て事になったら大変だからな。


「うわ〜、凄い立派な剣」

「ねえお兄ちゃん見て、ジャガルの剣カッコいいよ」


剣を磨いているジャガル騎士団長に近づいて俺に話しかけてくるルタ。

コラコラ、何でジャガル騎士団長だけ呼び捨て何だよ。

せめてお兄ちゃん位はつけなさい。

そうルタに注意すると……。


「えっ、でもジャガルが呼び捨てでいいって言ったから……」


えっ、そうなの?

そう思い、ジャガル騎士団長に尋ねてみると……。


「ええ、言いましたよ」

「どうか勇者様も私の事は呼び捨てで呼んで下さい」


どうやらジャガルは早く皆んなと打ち解けたいみたいだ。


「だったら俺の事も勇者様何て堅苦しい呼び方は止めて、タッティーナって呼んでくれよ」


そうジャガルに言うとセツコは何故だか吹き出し、笑っていた。

えっ、俺何か笑われる様な事言った?


「あっ、タッくんの事を笑ったんじゃないよ」

「只、私やサナちゃんはタッくんの事をあだ名呼びに対してコイツは……、プププ」


「コラッ、セッちゃん少し感じ悪いよ」


まあ最初の出会いが悪かったから仲が悪いのは分かるけど、人を煽る様な事は良くない。

その事を話すとセツコは分かってくれたのか、ジャガルに謝ってくれた。


「それにしてもカッコいい剣だね」


俺が装備している剣と大違いだ。


「この剣はジグロメテア王国の国宝とも呼ばれている剣で、代々騎士団の団長が引き継いでいる代物何です」


へ〜、そうなのか。

道理で高そうな訳だ。


「私も大きくなったら剣を装備しようかな」


「おっ、女剣士か」


いや、ルリ姉の妹でもあるからな。

魔法剣士って所かな。

勇者の妹で凄腕の魔法使いの妹でもあるルタにはピッタリ何じゃないだろうか。

つっても、その勇者は俺だからなぁ〜。

剣技何て大層なもの扱えないし……。

自己嫌悪に陥る中、セツコがルタに話しかけてくる。


「止めた方がいいよ」

「剣何かより拳の方がいいよ」


その言葉を聞きジャガルが遂にキレた。

セツコとジャガルが言い争いを初め、ルタはリヘロと一緒にルリ姉の背後へ避難する。

そんな中、ルリ姉が二人に激怒した。


「いい加減にしなさい」

「二人共、それ以上争うのなら馬車から降りて貰うわよ」


流石だぜルリ姉、言葉だけで二人を黙らせる何て……。

いや、気迫もあるか。

まあ何はともあれ、ルリ姉のお陰で二人は大人しくなったし、コレでゆっくりできるか。

それから数時間後、俺は牢屋に投獄される羽目になるとは、この時の俺は思いもしなかった。


第68話 完


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