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第58話[心配]

ゾンビ達が俺達を襲う。

そんな中、タイシ君は魔力回復薬をその場で調合し、セツコとサナはゾンビ達と戦い俺達を守ってくれた。


「出来ました」


そう言ってタイシ君は魔力回復薬を俺に渡してくれた。

俺はそれをルリ姉に、タイシ君はルタに薬を飲ませ鞄を枕に休ませてあげる事に……。


「タっくん、倒したよ」


「どうやら仲間を守る為に襲ってきた様ですね」


仲間……。

セツコがさっき殴り飛ばした奴か。


「セッちゃん、サナ、二人共ありがとう」


俺はそう言って二人にお礼を言うと、ルリ姉とルタを宿屋に運んだ。

そして翌日。


「お腹空いた〜」


そう言って起き上がるルタを見て、ひとまず安心する。


「フフフ、まるでセツコちゃんみたいね」


続いてルリ姉も目を覚ました。


「良かった」

「二人が目を覚まして本当に良かったよ」


涙を流しながら二人が目を覚ました事に歓喜する俺を見て二人は笑っていた。


「ルリ姉ちゃん、ルタちゃん、目が覚めたの?」


勢いよく部屋の扉が開かれる。


「良かったよ〜」


そう言って喜ぶセツコだが、安堵して気が緩んだせいか盛大にお腹が鳴り、顔を赤くしていた。


「別に恥ずかしがる事はありませんよ」

「お二人が心配で昨日から何も食べてないんですから」


そう言ってサナもお腹を鳴らしていた。


「どうやら目が覚めたみたいですね」

「顔色もいいみたいで安心しました」


そう言うとタイシ君は魔力回復薬を二本、机に置く。


「良かったら皆んなで朝食を食べに行こうよ」


そう言ってタイシ君を食事に誘うが……。


「いや、僕は少食なので遠慮するよ」

「それに徹夜で魔力回復薬に手を加えたからね、少し眠くて……」


眠たいんじゃ仕方ないよね。

そう思い落ち込んでいると……。


「やっぱり行こうかな」

「うん、お腹空いてきたよ」


気を遣ってくれたのか、一緒に朝食を食べる事に。


朝から開いているお店を探し、皆んなで朝ご飯を食べながら、話題は昨日の出来事に……。

俺は海へ、ルリ姉達はジャングルに飛ばされたらしい。

そしてそれらの話しを詳しく聞いたサナが考えをまとめ、それを口にする。


「ふむ成る程、飛ばされた先で敵を倒せば元の場所に戻ると……、私達三人が飛ばされ無かったのは敵を用意出来なかったか、或いは飛ばせる人数に制限があるのか……」

「恐らくは後者でしょう」


ネクロマンサーが死体を使い助けに来る位の魔物。

恐らく幹部なのだろうとサナは睨んでいた。

そして、魔王軍幹部だったら従える魔物は数多く居る筈だ。

それなのに二体しか用意しなかったのは飛ばせる数に限りがあるから。


「まあ、憶測ですが」

「それにしても、まさかカルサ・ナントレイが現れるとは……」

「どんな人でした?」


目を輝かせて尋ねて来るサナにルタが答える。


「うんとね、凄くお喋りな人だったよ」


続いて俺も「変人だったよ」と言って性格はサナとそっくりだと話した。

すると……。


「よして下さい、私が天才肌だ何て褒め過ぎです」

「でもそうですか、あのカルサ様と私がそっくり……」

「デュフフフフ」


物凄く喜んでいた。


「確かにカルサお姉さんはサナお姉さんに似てるかも……」

「二人共優しくて大好き」

「あっ、そうだ」

「カルサお姉さんから指輪を貰ったの」

「これを使えばお兄ちゃんを守ってあげられるよ」


ルリ姉を守った奴か。

俺の時は人魚になるだけだったが、ルタのは光線を放つのか。

羨ましい。

だけど……。


「出来れば余り使って欲しくないかな」

「それを使うとルタがまた倒れちゃうから……」


気持ちは本当に嬉しい。

でもそれ以上にルタが倒れてしまうのは心配だ。

本当なら俺がしっかりして、皆んなを守らないといけないんだがな……。


食事を終え、俺達は宿屋に戻り体を休めた。

ルリ姉達の為にしばらくはこの街に滞在して体調を整えようと思う。

そして海の近い街に移動して、船を借り大陸移動か……。

そういえば人魚のお姫様にちゃんとお礼を言えて無かったな。

また会えるだろうか……。

徹夜の看病が堪えたのか、俺はいつの間にか眠りについていた。


第58話 完

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