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第51話[課題]

シャルディ達が勇者と出会った場所、大都市ソラシドレアから周辺諸国、大陸を渡り、勇者を捜す事、数日。

僕はようやく勇者を見つけていた。

僕のファンである翼の生えた魔物と別れ、勇者を尾行し観察する事、更に数日。

彼と仲間の情報を掴んだ。

さて、僕の第二の能力。

別の場所に飛ばして、その人物に課題を与える。

コレを使えば確実に勇者を始末できるだろう。

何故なら飛ばす場所は海。

そして相手はクラーケン。

幾ら勇者と言えど、陸も船も無い状態で彼に勝つ事は不可能。

確実に始末できる。


「問題はもう一人だ」


それぞれ別になるが、二人までなら何とか飛ばせる事ができる。

次に飛ばせる場所は足場の悪いジャングル。

此処に飛ばすのは一体誰がいい?

調べた限りでは、セツコとかいう女は厄介だ。

足場が悪いといってもジャングル。

木々を渡り、ジャングルの主であるゴリッキー君を簡単に倒してしまうかも知れない。

運動神経は良さそうだしな。

錬金術師もどんな道具を持っているか分からないし、魔法使いのお姉さんも強そうだ。

後に残る男と勇者の妹は弱そうだし、能力を使ってまで殺すもんでも無い。

やっぱりあの三人か……、いや、二人だ。

運動神経が無さそうな錬金術師か魔法使いの二択だ。


「よし、魔法使いにしよう」


勇者とその姉。

二人を始末出来たのなら愛しの魔王様も褒めてくれるに違いない。

もしかしたら、特別な役職を設けて下さり僕を出世させてくれるかも。

そうしたらザネン達は僕の部下に……。


「いいね、最高だね」


さてと、愛しの魔王様の為にやりますかね。

僕は街の時計塔の屋根に座り、クラーケンのクラケン君とゴリッキー君にテレパシーを送り、準備が出来たか尋ねた。

二人からの返事を受け、僕は第二の能力を発動させた。


「さて、そろそろ次の場所へ……」


よし、勇者を海に飛ばした。

後は……。


「ルタ可愛い」


「お姉ちゃん」


しまった。

抱き合ったと同時に二人をジャングルに飛ばしてしまった。

体を密着させていれば釣られてもう一人を送ってしまう。

只でさえ一人送るだけで、此方にも頭痛や吐き気などの代償がくるというのに……、それが三人分となると……。

酷い目眩と頭痛、吐き気に襲われる。

何度も頭を鈍器で殴られた様な痛み。

視界はグルグルと回り、胃の中の物を吐き出しそうになる。

コレらから解放されるには、課題であるクラケン君かゴリッキー君を倒すか、飛ばされた者が死ぬかのどちらかだ。

もっとも僕がこの場で死んでしまうか魔力が切れれば能力は解かれ三人は元の場所に戻ってしまうけど……。


「このまま眠ってしまおうか」


魔力さえ切れなければ能力は消える事は無い。

眠っていた方が頭痛に悩まされる事も無いだろうし……。

僕はそう考えて睡眠薬を飲み、眠りにつく。

大丈夫、目覚めたら勇者達は死んでいる。

意識が遠のき、僕は深い眠りにつくのだった。


第51話 完


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