表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/311

第50話[魔王軍幹部達]

シャルディとキャルディから報告を受けたザネンが、緊急と称し他の魔王軍幹部達を招集し、話し合いの場を設けていた。

だが、来たのはネクロマンサーとシャルディ、キャルディの姉妹のみ。

この事にザネンは酷く怒っていた。


「人望が無いんじゃないの」


そう呟きながら編み物をするネクロマンサーに近づくとザネンは編み物を取り上げた。


「貴様こそ魔王軍幹部の癖に何をしている」


「いやぁ、貧しい子供達にあげる為に服を編んでたんだ」


「ふざけるなよ」

「人間の為に編み物とか魔王軍幹部としての自覚はあるのか?」


「君の方こそ数年前に国を襲ったのはどういうつもりなの?」

「僕が行かなきゃ多くの人達が死んでいたんだ」


「だからどうした」

「貴様が邪魔をしなければ勇者を殺せていたんだぞ」


「だからどうしただって?」

「君は命を何だと思っているのさ」


「フンッ、死体を操る根暗マンサーがよく言うぜ」


「ちょっと、喧嘩駄目」


「お姉様、怖いですぅ」


「フンッ、魔王軍幹部の中で一番性格の悪いお前が何を言う」


「キャルディの悪口、許さない」


幹部四人が揉めている中、遅れてもう一人の幹部がやって来た。


(はあ、またやってる)


幹部招集何て言うから嫌々ながら来てみれば、案の定喧嘩しているよ。

面倒臭い事になる前に帰っちゃおうかな〜。

コイツらと話すより寝てた方がマシだしね。

それに来てない奴も居るし。


「あっ、ルビック」


げっ、キャルディに気づかれた。


「相変わらず可愛いお洋服を着てるね」


「あはは、キャルディは相変わらずダサい服を着ているよね」

「つか洗ってる?」


はぁ、見つかったら仕方ない。

適当に話しを聞いて帰るか。

僕は適当な席に座り、さっさと話し合いをする様に促した。


「実はだな……」


そう言って僕はシャルディとキャルディが勇者に襲撃し、それが失敗に終わった事を聞かされた。

まあ、この二人ならそうなる事は安易に想像出来ただろう。

魔王様の為とはいえ、優しいシャルディが戦いに出向いただけでも褒めてあげるべきだ。


「という訳でルビック、貴様に勇者を殺しに出向いて貰うと思う」


成る程、僕に……。

はっ?

僕に行けと?

ヤダよ、面倒臭い。

確かに魔王様の為ならこの身を捧げてもいい。

性別を持たない僕でも魅了する程、魔王様は素敵なお人だ。

愛してる。

でも、だからといって僕が出向く必要はあるのだろうか?

ザネンとネクロマンサーと同時に生まれ、魔王軍幹部最強と呼ばれた奴が、この魔王城に居る。

正直、彼に勝てる人間がこの世に居るとは思えないのだが……。

その事について話し、僕は勇者を殺しに行く事を拒否した。


「だからこそ、勇者を今の内に殺しておくのだ」

「あの馬鹿が勇者と戦い、本気になったらどうなる?」

「敵味方関係無しに全員を殺すまで止まらんぞ」


うっ、そういや、大昔に僕があいつのオヤツを食べて怒らせた事があったっけ。

あの時は魔王様が止めに入ってくれて助かったけど、次に奴が暴れれば……。

僕は体を震わせて、仕方なく勇者を殺しに出向く事にする。


「ああ、面倒臭いなぁ」


第50話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ