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第8話[ウゾンド王国]

俺達は今、ウゾンド王国に来ている。

この国には伝説の剣があると言うが、本当なのだろうか?

まだ旅も序盤、街も一つしか行っていないのに、伝説の剣が手に入る何て俄に信じ難い。

でもまあ、序盤で手に入っても錆びていたり、本来の力を失われているとかで弱かったりと、序盤ではそんな感じの役回りだろう。

正直、この世界だ。

あんまり期待はしていない。

そう思い、俺達は城下町で豪遊していた。


「はわわ、タッくん、この揚げ鳥のクリームソースサンドが美味しすぎるよ〜」


「セッちゃん、このローストビーフも美味しいよ」


「このグラタンも美味しいわ」


この国の食べ物は本当に美味しいな。

お金が幾らあっても足りない位だよ。

そうやって皆んなでワイワイ食事をしていると、俺達は先程から彷徨いている兵士達に囲まれていた。


「その身なり、勇者殿とお見受けします」


「ふぇ〜、流石タッくん」

「勇者のオーラ全開なんだね」


「我が弟ながら凄いわ」


いや、二人共何騙されてるのさ。

さっきからお客さんの手の甲を兵士達が見て回っていたじゃん。

身なりとか、どうせ社交辞令でしょ。


「我が国の王がお呼びです」


まだ食事の途中だったけれど、王様が呼んでいるならと仕方なくお城へ向かう事にする。

機嫌を損ねて伝説の剣が貰えなくなるのは嫌だからな。

食べ残した物は勿体ないのでお弁当として包んで貰う事にした。

そして……。


「よくぞ参られた勇者……、えっ、あの見窄らしい男が勇者な訳?」


「ひ……、姫様、声が大きいです」

「あの方は正真正銘、勇者様ですよ」

「手に変わったアザもありましたし」


何だろう、凄い失礼な人達だな。

つか、王様がとか言ってて、姫様しか居ないってどういう事?

そう思っていると、大臣らしき人が近づいて来た。


「申し訳ありません勇者様」

「しばらく姫様の王様ごっこに付き合って下さい」


王様ごっこって、姫様は前の世界なら女子校生位の年齢だけど……。

まあ、いいか。

本人がやりたいのなら、ちょっとだけ付き合うか。


「初めまして勇者殿、私の名前はメビュナ・ウゾンド、この国の王です」


「はあ、それで王様が俺達に何か御用で?」


「はい、伝説の剣について少々お話しがあります」


えっ、伝説の剣?


「先ずは本物の勇者かどうか、試させて頂きますので私の部屋へ来て下さい」


もしかして、装備出来るか出来ないかのイベント?

だったら余裕だぜ。

何たって俺は正真正銘の神様お墨付きの勇者だからな。


「タッティーナ頑張って」


「タッくん頑張って」


二人の声援を浴びて俺は姫様の案内の元、姫様の部屋へ向かった。

侍女達を追い出して姫様と二人きりに、ベッドの上にはド派手な剣が一つ置かれていた。

これが伝説の剣か。


「それではこれから伝説の剣を装備するに足る人物かどうかテストさせて頂きます」


俺は手を回したりしてやる気を見せる。


「まあ、フフフ、ヤル気満々ですわね」

「期待していますわ」


さあ、来い。

必ず装備してみせる。

そう思っていたのだが、何故だか姫様は靴下を脱ぎ始めた。


「舐めろ」


「えっ?」


「早くして下さい」


「いや……、えっ?」


足を舐めるのと、伝説の剣を装備するに足る人物かどうかを見極めるのって全く関係ないよね?

だって、ドMなら余裕で姫様の足を舐められるじゃん。

でも伝説の剣は勇者しか装備出来ないじゃん。

全然違うじゃん。

俺はその事を姫様に話した。

すると……。


「キャンキャン五月蝿いわね」

「この試練は勇者にしか与えないわよ」

「私はね、勇者を下僕にしたいの、つまりこの伝説の剣に相応しいのは私の下僕になった勇者だけ」

「分かったら、さっさと忠誠の証を私に見せなさい」


どうやらこの国の姫様はとんでもない性癖の持ち主みたいだ。



第8話 完

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