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第120話[行動力]

姫様に別れの挨拶をしに俺は隣の国を訪れていた。

俺の話しを聞き、姫様は優雅に紅茶を啜ると優しくカップを置き、目を見開いて俺にこう言って来た。


「分かりました、行きましょう」


えっ?


「それでいつ出発するのです?」

「私にも身支度がありますから」


「いや、来るつもりですか?」


「いけませんか?」


いや、駄目でしょ。

誰が姫様を守るの?

タダでさえルリ姉には負担をかける事になるのに、これ以上迷惑はかけられないよ。

その事を姫様に伝えると……。


「ご心配無く、自分の身は自分で守れます」

「ですから勇者様、私を一緒に連れて行って下さい」


「はあ、それでどうやって自分の身を守るんで?」


姫様ってそんなに強かったっけ?

怒ったら怖かった記憶はあるけど……。


「我が国自慢の兵士を護衛につけます」


「いや、他人任せじゃねーか」


ヤバッ、思わず口に出てしまった。


「とにかく、姫様は連れて行きません」


「ヤダ、私も勇者様と一緒に行きたいです」


「どうしてです?」

「野宿やお風呂に入れない時もあるんですよ」


「だから良いのです」


えっ……。


「勇者様の匂い、想像しただけでもう……」


「いや、えっとその……、姫様は体臭とか気にしないんですか?」

「臭っちゃうかも知れないんですよ?」


「勇者様に私の体臭を……」

「ああん、羞恥心と興奮が混ざり何とも言えない感情が……」

「是非、連れて行って下さい」


「お断りします」


俺はそう姫様に告げてお城を後にした。

全く、体の成長と共に変態度まで成長させていた何て……。

気を取り直して次に行くか。

俺は街に戻り、ルリ姉を連れてジャビの家を訪れた。


「アニキ俺、信じてますから」

「アニキなら魔王の首を絶対に持ち帰るって信じてますから」


そう熱く語り俺の手を強く握りしめるジャビ。

俺も熱く語り、ジャビとの友情を確かめ合いたいのだが……。

隣のメメミさんの乳の圧力が凄くて俺は視線を逸らせないでいた。

勿論、性欲的な意味では決して無い。

ただ、アニメや漫画である様な破壊力のある乳を俺は初めて見てしまい、どんな感じなのか少し興味を惹かれていたのだ。


(凄い、ルリ姉の手が乳で隠れている)


「もうタッティーナ君、何処見てるの?」


「タッティーナ……、最低」


いや、違うんだルリ姉。

性的な意味で見てたんじゃないの。

だからそんな目で俺を見ないで。


ジャビ達と別れを済ませた俺達は自宅へ帰ろうとジャビの家を出た。

するとジャビが慌てて俺の後を追って来て、こう叫んだ。


「アニキ俺、料理人になります」

「料理人になって、魔王を倒したアニキ達に料理を振る舞うんです」

「だからアニキも頑張って魔王を倒して来て下さい」


ジャビ……。


「ああ、任せとけ必ず倒して帰って来るからな」


ジャビの姿が見えなくなるまで、俺は手を振りながら歩いた。


「良かったねタッティーナ、素敵な友達じゃない」


「別にジャビは友達じゃないよ」


「えっ?」


「大親友さ」


そう言って俺とルリ姉は笑いながら家に帰って行く。

その道中、不意にルリ姉が立ち止まった。


「それよりタッティーナ、まさか女の子の体に興味が出て来たの?」


えっ、その話題を今振る?

アレは誤解だと何度も言うが信じて貰えない。

一体どうしたらいいんだ。


「そんなに興味があるのなら……、お姉ちゃんの触ってみる?」


「えっ?」


第120話 完

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