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みりんのセルデシア冒険記  作者: フェルト
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みりん 《大災害》に巻き込まれる

初めまして!新参者のフェルト。なろうで書き始めることにしました!おかしな点ばかりだとは思われますが、暖かい目でご覧いただければ幸いです!

「どりぁぁぁ!!!」

見たことがあるような怪物に私の渾身の飛び蹴りが刺さる!その瞬間。怪物は消え去った。

「ふふふ...どうよ!私の〈ワイバーンキック〉は!私ったら、無敵の最強なんじゃない!?はははははは」

・・・

・・

「・き・・・ん」

なんかやさしく囁くような声が聞こえる...

「起きて・・ん」

「起きてよ!みりんちゃん」

なんか今、思いっきり頭をはたかれた気がする。いや。間違いなくはたかれたな。

目を覚ますと、そこにはぎっしりと白チョークで難しい数列の計算が書かれている黒板。隣の席と開いているページが違う教科書と参考書。私にとっては見慣れた風景だ。もしかして講義中!?と思い、自分の右手に着けた腕時計を見たらガッツリ講義の時間だった。

私の名前は津下美鈴(つげみりん)。京都大学2年生。〈みりん〉という名前は正直キラキラネームのようにも見えるけど、実際はそうと言えばそうだし、そうじゃないと言えばそうじゃない。

そもそも本名は〈みすず〉なのだ。母さんがそういう系の書類を書く時になぜか、ふりがなに()()()と書いてしまったがために、書類上、〈つげみりん〉ということになっている。ぶっちゃけた話、このことを知っているのは家族くらいなので、他の人たちはみんな〈みりん〉と呼んでいる。正直なところ〈みすず〉だろうが〈みりん〉だろうが関係ない。そう思っている。

そんな私は、割と人気者だった。友人が言うにはとても人懐っこいらしく、喋りかけやすいとの事。カラオケや合コンなんかにはよく行ったなぁと今でもしみじみ思う。

しかし私も最近の大学生。ビデオゲームはよくやっている方だ。特に〈エルダー・テイル〉というMMORPGのゲームにはどハマりしている。たしか始めたのは自分が高校2年になった頃だろうか。今でこそ落ち着いたものの、高校3年の受験終わってから大学入学当時は1週につき1回五徹なんてもはや当然。例えるならば日課のような生活をしていた。始めた時はネットリテラシーなんてものも知らなかったからプレイヤーネームも当然〈みりん〉である。

しかし、なんで講義中にゲームの夢を見てたんだろう?

あぁ、今日が〈ノウアスフィアの開墾〉の導入日でワクワクしてるからか・・・

そう思うと

「あんた、いくらなんでも講義中寝すぎじゃない?なんでそんな頭いいのよ?」

と起こしてくれた子。《斎藤真紀(さいとう まき)》が話しかけてきた。

「へへーん。だってー私だよ?私に出来ないことは外国語の会話くらいだもん!」

「そのあんたの謎の自信とその地頭。うちにも欲しいわ。」

彼女は私の幼なじみで親友とかを越えている。そして、私の〈本当の名前(つげみさき)〉を知っている珍しい人でもある。そして、私に〈エルダー・テイル〉を勧めてくれたのも彼女だった。

お昼時。私は彼女と弁当を食べていた。私のはコンビニ弁当。彼女は手作り。彼女はお料理も出来て、オシャレ度も私より遥かに高い。言い換えるなら女子力の塊だ。その癖に、柔道の5段・・・だったかの実力がある。おかしい。私よりハイスペックじゃないか・・・

「えへへへへ真紀っちにはどうやってもむりだよーだ」

「お?やるの?」

「まさかまさか!骨が物理的に折れちゃうよ!」

「話変わるけど、あんた今日すぐ帰って〈エルテ(エルダー・テイル)〉開くん?」

「たりまえじゃん!何?真紀っちも開くから待ってーって?」

「うん。いつも通りSkypeで連絡するわ」

「りょかい!ご馳走さん!じゃあ残りのカリキュラムの準備してくるねー」

「はいよー」


そんなこんなで今日のカリキュラムが終わり、ルンルン気分で自転車に乗り、速攻で京都付近に借りているアパートに帰る。帰って、シャワーをサッと浴びて徹夜してもすぐ、大学に行けるよう、それなりの外出用の格好にゲーミング用のヘッドホンをつけ、パソコンの前に座る。そして、電源をつけ、真紀のSkypeが来るのをまだかまだかと待っている。

来た!真紀から着信が来たのでそれをとる。

「準備OK?真紀ー」

「OKだよ!でも今日は1時間弱であがろうかなー」

「りょーかい!じゃぁ!ゲームおーん!」

「おーん!」

そうして私が〈エルダー・テイル〉を開こうとした時。突然《彼女(つげみりん)》の意識は()()()()


・・・・・・

・・・

・・

次に目が覚めたのは明るい日差しの指す森だった。

寝落ちじゃない。ここは?ゆっくりと立ち上がる。

私は今、上は黄緑色のパーカーにセーラー襟。下はスキニーにしてはぶかいくらいのデニムジーンズ。靴は私の好きな色であるネオンブルーの少し重めの靴。

手を確認するだけで違和感は実感へと変わり、どうなってしまったかをある程度把握した。

私の手には〈肉球〉がついている。顔を触れば猫特有のながーいお髭の感触。耳が本来あるべきところになく、猫のように、顔のちょっと上側についている。

多分私の〈エルダー・テイル〉のときのプレイヤーキャラクターである〈みりん〉とほぼほぼ酷似しているような気がした。

私のキャラクターは〈猫人族〉といって、猫耳のついた人。ではなく、猫がそのまま人間になったような感じの格好。イメージでいうと〈長靴をはいた猫〉みたいな感じ。長靴は装備してないけど。

もし、私が本当に〈エルダー・テイル〉の中に入り込んだとしたら、多分最後にセーブしたここは〈ビワレイク〉の付近だろう。たしか、ここでレベリングをしていたような記憶が残っている。そして、大学に行かなかんってなってここらでセーブしたはず。だとしたら、湖が近くにあるはずだ。そう思い、私は、〈ビワレイク 本湖〉に行き、そこで湖を覗き込む。

そこに映った姿は、三毛猫のような配色の体や顔。おしゃれ装備の《セーラーパーカー》に、《デニムジーンズ》。色つき《レザーブーツ》。

うん。やっぱりか。これは完全に《エルダー・テイル》の〈みりん〉が着けてた格好だわ。まじか。

叫びたい気持ちでいっぱいだった。もしかしたらあの、楽しい大学の日常に戻ることが出来なくなるかもしれないから。でも、少し嬉しい気持ちになった。

だって私。猫になりたかったんだから!

少しだけ意気揚々にしてると、湖の後ろの林からドタドタドタと何かが突進してくる音が聞こえる。もしや・・・モンスターも!!?

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