3.砂臥 環様の場合
「♪わったしは電気が分からないー、でも、お父さんは帰ってこないー」
『かんさいーでんき、ほーあん』
スパーン
「なっ、何するんですか? いい所だったのに」
「あっ、危ない所だった。もう少しで最後まで歌っていた。あのCMは危険過ぎる」
「いやあ、ローカルCMとしては別格ですからね。8710と良い勝負じゃないですか?」
「……というか、何故8710? 他にももっとどうしようもないCMは色々あると思うんだが」
「当然、私の趣味です。基本は『あなた、一体誰?』ですね」
「ケンミンSH〇Wかー」
「それ。伏字になっていませんよ」
「良いじゃないか。過疎だから誰も咎めたりしない(キリッ)」
「確かにそうですねー」
「それにしても、今回は初めからテンション高いな」
「そりゃあ、勿論そうですよ。いつものアレ行きますよー」
「デリック」
「おぼろの」
『オマケコーナー』
「さぁー、今回は早速いきます。第一回チキチキ 略して『底辺スミソニアン』 エントリーナンバー3はこれです! どーん!」
「あっー、そういう事か。これでテンション高かったのか。様々なヒロインを押しのけて初のイラスト化だからな」
「はい。とても嬉しいので、今日は下着も気合が入っています。見たいですか?」
「そういうの良いから、進めて」
「ぶっー。すぐそういう事を言う。でもそうですね。まずは紹介しないと。今回FAを頂きましたのは『砂臥 環』様です。この度は誠にありがとうございました」
「ありがとうございました」
「砂臥 環様の代表作は数限りなくありますが、
・魔王子様は嫁を探しているらしい。(https://ncode.syosetu.com/n5448ft/)
・30年☆クッキング(https://ncode.syosetu.com/n8426gl/)
・曇天フルスイング(https://ncode.syosetu.com/n8563gh/)
を記しておきます。お時間がありましたら、是非お読みくださいね」
「えっーと、それは良いんだが、おぼろさん?」
「はい。何ですか、マスター?」
「いや、今回のFAは底辺へのFAではないけど良いのか?」
「そういうの気にしちゃ駄目ですよ。あの作品は内容こそアレですが、基本的には今のと同じく番外扱いですから」
「確かになー」
「それにこのオマケコーナーは、本編が書籍化された時は後書きやSSに登場しますし、アニメ化された時は次回予告で使われるんですから問題無いのです。えっへん」
「残念だがそれはないと思うぞ」
「どうしてですか? そんなに嫌わないでくださいよー」
「いや、そもそも底辺は書籍化自体がまず無理だしな。アニメ化に至っては天文学的確立だと思うぞ」
「ちぇー、ちょっとくらい夢見ても良いじゃないですか。そんな事言っているから人気が無いんですよ」
「本編が人気無いのは間違いないからな。名前の通り底辺作品だから、身の丈に合った望みにしようぜ」
「はいはい。分かりましたよ。それはそうと凄くないですか。このFA」
「いや、凄いのは分かるが何故ジャージなんだよ。折角なんだから、もっときちんとした服装をお願いすれば良かったんじゃないか?」
「何を言ってるんですか? このFAはきちんとお出かけ用のファッショナブルなジャージですよ。マスターは知らないでしょうけど、今やジャージは海外のセレブが愛用するくらいなんですよ。グッチ製のジャージとかあるの知ってますか?」
「グッチ 〇三の間違いじゃねーのか……って、本当にあるんだ。グッチ製のジャージ」
「と・い・う・こ・と・で、ジャージを愛用する私は必然的に世界のセレブと肩を並べる存在となります。ひざまずくが良い」
「いや、さすがにそれは無理があるだろう。実際にグッチ製のジャージを着ている訳じゃないだろうし」
「(ギクッ)ま、まあ、とにかくジャージと思って侮ってはいけないという事ですね」
「ちなみに今おぼろさんが着ているジャージはどこのブランドですか?」
「当然、中学ジャージです。これがジャージとしては最強ですね」
「その基準がどこにあるのか、よー分からん」
「しかも、履いているのが健康サンダル。この組み合わせ。どこに出しても恥ずかしくないコーディネートです」
「嘘臭せー。本当なら、思いっきり『大阪名物ハリセンチョップ』とかしたいんだけどな、グッチ製のジャージを見ると強く言えない」
「きっと、この健康サンダルもいずれは世界のセレブの愛用品に……」
「それは言い過ぎだろう。ジャージ着てても足元はしっかりしてたぞ。パンプスで合っているのか? ジャージとこれの組み合わせを見た時はズッこけたけど」
「元々海外では、日本のようなスリッパ文化は浸透していないですからね」
「気候の差があるからな。海外経験が無いから分からないが、空気が乾燥していても靴の中が蒸れるとかあるんだろうか?」
「その辺は分かりませんけど、そもそも家に帰って靴を脱ぐ文化が珍しい筈ですよ」
「そうなると、寝るとき以外はパンプス履いてジャージを着ているのか。ゆったりしているのか、気が張っているのか分からないな」
「ですねー」
「……と気が付けばこんな文字数か。そろそろ今回はお開きとするか」
「ええっー、もう少しグタグダしましょうよ。まだ他にも触れていない点があるでしょう」
「もしかして、みかん箱の事か? まさかの木箱だったのには驚いたな」
「そうですよ。みかん箱が段ボールになるのは戦後でも比較的早い時期でしたからね。本田宗一郎が使った話とか完全に忘れ去られているでしょう」
「……そんなネタ出しておいて、よく『女子高生に大人気』とか言えるな。……というか、木箱入りのみかん、まだあったんだな。知らなかった」
「『成功のみかん箱』はもう販売していなさそうですが、木箱入りのみかんは高級路線の箔付けになっているみたいですよ」
「その発想が良く分からないな」
「要はみかん箱は木製が本来の姿で段ボール製は邪道という事でしょう。そういう事にしておきましょう」
「……分かった」
「つまり、そうした高級路線で身を固めている私はパーフェクツなセレブだという事です。ひざまずくが良い」
「ニートだけどな」
「『自宅警備員』という超難関職業です。このFAは国宝級ですよ」
「そうだな。それに付いては間違いない。頂いたFAは作者にとってはどれも宝だ。大事にしているぞ」
「……くっ、綺麗にオチを付けたつもりになっているドヤ顔が激しくムカつきます。仕方がないですね。今回はこの辺で勘弁してあげますよ。次もこうだと思うな」
「そういうつもりはなかったんだけどな」
「それじゃあ、最後のいきますよ」
「デリック」
「おぼろの」
『オマケコーナー』
「また次回お会いしましょうー」
今回もほぼ与太話でした。