表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ふたつの月

作者: Soraきた

一晩中泣いた

悲しくて泣いた

自分が情けなくて泣いた

時間を取り戻したくても

無理なことは分かっているから

もう一度、泣いた

泣いたところを見られたくはないから

泣く前のわたしの姿を思い出したけど

残念なことに

その姿は涙に流されて

思い出せない

1時間前も泣いていた

5時間前も思えば泣いていた


あなたは

わたしに優しかったから

本当は

わたしのこの涙は

嘘にしてほしい


わたしのなかで嘘になったとしても

あなたの前では

嘘にはならないこと


分かっているから

だから、

わたしは

あなたのやさしさを

思い出に変える


変えるまでは

時間がかかる

泣いた時間分

それ以上に

もっと、かかる


わたしのこころのエンジンは

たぶん、当分は

かからずにいるけど


仕方がないね

じゅうぶんな恋ができなかった


ありふれたやさしさにつつまれて

恋をあたためることを

おろそかにしていたこと


たぶん、同じ月を見ていても

何か違って見えた


違っていても

お互いに語らずにいた



月がふたつ

現れていれば

お互い、違って見えたとしても

そのまま

通りすぎていったのに


だけど

そんなことは

無理な話だから


今はただ

月が見えない

朝の時間が過ぎても

考えている



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ