24話 結婚②
早急になんとかしなければいけませんね。
サムエル様と過ごした日々は、毎日が幸せいっぱいでしたし、お互いに幸せを与え合っていたと思っていましたが、どうやらこれは倦怠期に違いありませんわ。
なんとか乙女の魅力でサムエル様をもう一度こちらに振り向いてもらえるようにしなければいけませんね。
「サムエル様!」
「うお!? 急に大声を出してどうした?」
「あら失礼。でも気にしないであなたの為よ?」
「は?」
「次はいつお暇ができるのかしら?」
「暇? まさかお前に付き合えと言う訳じゃないだろうな?」
「いえ、付き合って頂きますけど?」
私がそう言いますと、サムエル様は頭を抱えてしばらくしてから明日の昼間の時間をくださるそうです。
なんとしてでも、サムエル様ともう一度ラブラブになって見せないと。
昼食を終えた私は、急いでユルシュルとシュザンヌの元に駆け込みました。
「お二人ともいらっしゃいますか!?」
「あ、ローズ様。どうかなさいましたか?」
「ご相談があります! 私とサムエル様がもう一度ラブラブになるにはどうすればよいでしょうか!」
言えた! なんかすんなり言いたいことが言えた気がします!
私がそう思っていると、ユルシュルとシュザンヌはその場で表情が凍り付きました。
まるで、私が的外れなことを言っているかのようなリアクションに見えなくもありません。
「本気ですかローズ様」
「え? ローズ様? え?」
「あの? 何か?」
ユルシュルが話しにくそうに私に説明をしてくださいました。
「えと、我々の勘違いでなければですね。サムエル様とローズ様はあまりラブラブではなかったと記憶しています」
「ごめんなさいローズ様。私もユルシュルと同意見です」
あら? あらあら?
もしかして私って果てしない勘違いをされていたのですか?
嘘、やだ恥ずかしい。
先ほどの会話ってかなり失礼だったのではなくて?
それ以前に今までの会話。相思相愛だと思ってしていた私は馬鹿なの?
嘘でしょ?
「待って! もしかしてサムエル様って私のことお好きでない?」
私が一番重要なことを確かめようと質問すると、お二人はさらに困ったような表情をされていました。
「どちらかと言えば」
「ローズ様の方がお好きでないのかと思っていました」
「どうしてそうなっているのかしら?」
全然わかりません。私、ラブ全開でしたよね?
お二人が鈍いと考えるべきでしょうか。しかし、何やら盛大な勘違いをしていた気がしなくもありません。
「あの、それでしたらご相談内容を変えさせていただきます」
「ど、どうぞ」
苦笑いのユルシュルに、私は別の相談をすることにしました。
ただ一言。サムエル様と仲睦まじい関係になりたい。と。
やっと自分と周囲の認識の差に気付いたローズ。
今回もありがとうございました。




