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23話 結婚①

 王妃様から結婚の話をされたことを早速サムエル様にご報告しましょう。


 私は執務中のサムエル様の部屋に飛び込みたい気持ちを抑え、ご一緒される予定の昼食の時間までどこかで時間を潰すことにしました。


「それで何故こちらに?」


 私がウサギ小屋に直行し、ルイーズの餌やりをしていたルーツィアに、ジト目で睨まれてしまいました。


「気にしてはダメよルーツィア。それにウサギ小屋は私の元気の源なの」


 何より彼女ルーツィアと会話していますと、不思議と聞き間違いと感じる会話が少なくて楽ですのよね。


 それにルイーズの世話を彼女に一任してはいるものの、ルイーズも私の家族ですし、サムエル様とご結婚することを報告しなければいけません。


「ルーツィア、せっかくだし少しお話しましょう?」


「え? 嫌ですよ」


 彼女のリアクションはやや新鮮だと感じたのは、私に対して遠慮がないところのありますね。


 嫌と言いつつも、逆らうことができない彼女は紅茶を用意し始める。


 私は膝の上にルイーズを乗せ、彼女の用意してくださった紅茶を頂きました。


「私、やっとサムエル様とご結婚するの」


「へぇ。あ、そうですか。おめでとうございます」


 彼女、本当に王宮侍女に値する人間なのですよね?


 その後、二人でお茶をしていると、ユルシュルとシュザンヌが私を呼びに来たので、ウサギ小屋を後にしました。


 サムエル様と昼食時、食事の合間合間になるたびに多少ですが言葉を交わすのですが、中々結婚のお話ができません。


 何故でしょう。いつも本当に言いたいことが咽喉から出てきてくれません。


 そもそも、サムエル様はもうご存じなのではないでしょうか。ですが、やはり二人でお話したい。


「サムエル様、私はいずれ次期王妃になります」


「そうだな、俺とお前は婚約しているし、婚約後問題も発生していない今、そのうち結婚することにもなるだろう」


「さ、さきほどですが、王妃様とお話がありましてですね」


「母上と? なんだ言ってみろ」


「あ、その……よく聞きなさい! 私とあなたとうとう結婚するみたいよ。喜びなさい!」


「ローズ、何故お前が偉そうなんだ。地位が上がるのはお前の方だろ」


 あら? 偉そうに見えたかしら。ここはその喜ばしい場面かと?


「そうか、ついに君とか」


 サムエル様は落ち着いた様子でいらっしゃいますが、何故でしょう。あまり喜ばれているようには見えません。


 あまり感情を表さないだけですよね?


 サムエル様のことですから、澄ましたように見せているだけ。きっとそうに違いありません。


 王宮での生活が続き、徐々に皆様のことがわかるようになってきた中で、私と周囲の空気に何か違和感を感じるようになりました。


頭の中がお花畑だったローズも数か月も一緒に生活すれば、周囲と自分の違和感にさすがに気付き。。。。遅すぎますね。


今回もありがとうございました。

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