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転生者の街にて(2)

「次に、こちらが援助金の300G(ゴールド)……です」

 ラビそう言って、硬貨の入った袋を同じく机の引き出しから取り出しマシロに手渡した。

「こちらは『転生者』の支援金に……なります。 返済の必要はありませんので、ご安心……ください」

「ありがとうございます。 大切につかわせてもらいますね」

「ああそれと、1Gの価値ですが……、おや? あなた()地球(チキュ)出身でしたか。 でしたら確か『1G=1000えん』ぐらいの価値だったはず……です」

 ラビはつい最近にも地球出身の転生者を担当していて、「そういえば……?」と何かを思い出した風だったが、「個人情報ですので……」とそれ以上の情報は語らなかった。

 1Gで1000円ということは、300Gで約30万円相当ということだが、つまりこれはこの世界の『ギルド』が転生者に対して最低でも30万円以上の価値を見いだしているということになる。


「そして最後に、こちらが『サポートブック』……です。

 サポートブックには魔術やクエストやギルドについてなどの冒険者になるために必要な情報が網羅されています。 困ったら参考にしてくださいね……」

「サポートブック? 参考書みたいなものですか。 生まれ変わっても勉強から逃れることはできないというわけですね」

 マシロはラビから『サポートブック』と表紙に書かれた辞書のような分厚い本を受け取った。

 マシロがぱらぱらと中身を見ると、『クエストの受注方法』『ギルドの加入申請方法』など、様々なことが図解付きでわかりやすく記載されていた。

「マシロさん……、これで転生手続きは完了になりますが……何か質問はありますか?」

「そうですね。 ……えっと、変なことを聞くんですけど、とりあえず私は何をしたら良いんでしょうか?」

「私たち『ギルド』では、転生者の方々にはまずパーティー単位でクエストを攻略してもらい、この世界になれてきたころに本格的に所属するギルドを選ぶように推奨しております……。

 はじめの一回は私もサポートしましょうか……?」

 転生者の中にはまだ幼い子供もよくいるそうで、基本的に転生者の多いこの世界では転生者に対するサポートはしっかりしていた。

 サポートが必要かは基本的に転生担当者に一任されているが、冒険者側からも「サポートを受けたい」と言えば最低限の生活が送れるようになるまでサポートを受け続けることができる。

「やっぱり私一人じゃ不安なので、ラビさんのサポートをお願いします」

「かしこまりました……。 それではまずは、パーティー募集の掲示板に向かいます……。

 はじめのクエストは私が選びますが、二回目からはマシロさんが選んでくださいね……。 もちろん、相談にはいつでも乗りますが……」

 そう言ってラビは部屋を出て大広間に向かって歩いて行き、マシロは慌ててついて行くのだった。

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