表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メドウズ スクール ライブ  作者: 水猫
第一章 田舎編
7/69

友達

学校が始まって何日か過ぎた。そして春樹の学生生活は瞬く間に輝かしいものとなった。春樹は持ち前の明るさですぐさまみんなと溶け込むように仲良くなれた。また、それを1番に受け入れてくれたのは誰よりもあの夏樹だったのだ。


そして下の小さい子小学生たちからも春樹は東京から来たということもあってよく慕われた。春樹は面倒見のいい方ではなかったが、夏樹と同じように子供みたいになってはしゃげる特技があったため、子供たちも面白がって春樹に懐いた


珍しくこの学校は複式学級ではあるものの、中学生と小学生に分けられていた。なぜなら普通こういう学校では先生は一人しかいないものだが、安藤さんともう一人若い女性の先生がいたからだ。


その先生は、大学を卒業して教員試験に受かったのだが、どうしても自分の地元で安藤さんの元で教員をやりたいといって、一緒に先生をやることにした。田舎ではとても珍しい光景だった


「へえ、わざわざこんな田舎にねえ、あの先生結構変わってるかもね」


「まあ、安藤先生の下でやりたいっていうのも珍しくないよ。あの人は優秀だからね。」


春樹の素朴な疑問に秋奈が答える。海口秋奈、中学一年生13歳


身長は153センチくらいで中1女子にしては平均。髪は栗色で少しく癖っ毛な感じで垂れ目でおっとりしてる感じ。わりと人に気を使うのが上手でみんなと分け隔てなく接するのが上手な感じの男の子。どちらかというとみんなのまとめ役みたいな感じ


「そうそう、あたしも安藤先生のおかげでもう志望校受かりそうだし」


続いて美冬が答える。月岡美冬、中学三年生15歳


身長は150センチくらいでこれは平均以下。黒髪で三つ編みにしていてツインテール。メガネをかけていていつも本ばかり読んでいる真面目そうな女の子。普段から引っ込み思案だけど、わりと夏樹の言動に秋奈と一緒にツッコミをいれることもしばしばな感じ


「そうそう、美冬ちゃん、もう十分志望校受かりそうなんだよね。緑山高校にさあ!」


続いて夏樹が答える。桜田夏樹、中学二年生14歳


身長は161センチと女子にしては高め。黒髪ストレートで顔立ちはとても整っていて正統派な美少女。得意なことと、苦手なことの格差が激しく、わりとさっぱりしたような感じの女の子


「み、緑山高校?」


その高校は偏差値78か9くらいある県内屈指の進学校だった。あの高校を受験する?美冬が?どれだけ頭がいいんだろうと春樹は驚いた


「ああ、あたし、東大目指してるから。安藤先生も東大出身だし」


東大?そんなすごい人がこんな田舎で教員をやってるのか?春樹はいてもたってもいられないくらい驚いた


「そうだよ。安藤先生はさ、実はすごい先生なんだよ。春樹くん一緒に暮らせて羨ましいな」


続いて海斗が答える。桜田海斗中学三年生15歳


ここの学校の唯一の男子。夏樹の兄。春樹にとってある意味救い。身長は165センチくらいで春樹よりやや低い。ちなみに春樹は171センチ。中2にしてはかなり大きい。そして普段から寡黙であまり話さないし輪にも特に入ろうとはしないけど、春樹が困ったときや知らないことがあるととても親切に教えてくれる優しいお兄さんだった


「ぶー、なんで美冬ちゃんもにーちゃんもそーやって勉強できるのさ、もーあたしと秋奈だけじゃん」


「って夏樹ちゃんと一緒にしないでよ!たしかに二人には届かないけど、あたしだって平均以上はとってるんだから」


海斗は美冬ほどはできなかったが、県内屈指の進学校に通う予定の秀才。秋奈はまあまあな成績だったが、夏樹はどうも平均的に悪かった


「まーなんていうかさ、問題が難しすぎるんだよ。中1の頃はもう少しできたのにさあ、けど春樹が来てくれて助かったよ。みんな頭良すぎてついていけないんだもん」


たしかにそれは言えていた。春樹は夏樹よりは平均的にできる方だったが、夏樹と同じように勉強できない分野とできる分野の差が激しかったのだ。そして得意なことは夢中になって勉強できたが、苦手なことはあまりできるようにならなかった


(へえ、安藤さんが東大とはねえ。まあ教えるのうまいとは思ってたけど、それにしてもすごいな)


その日学校が終わると、テストの点が悪かった夏樹は残って居残り勉強をさせられた。春樹も安藤さんが東大と知ってから、突然勉強に対して意欲的になったので、同じ中2ということもあり、一緒に残って勉強することにした。他の3人は先に帰り、春樹と夏樹は学校で勉強することにした


「じゃあ、今日はここまで、春樹くん、よく残ってえらかったね。このままいけばもっと成績は上がるよ。あ、あと今日は学校でまだ仕事が残ってるから、歩いて帰れるかな?」


「あ、はい大丈夫です」


「じゃあ今日はこれまで、お疲れ様です」


安藤さんが教室をでて職員室に向かった。春樹と夏樹は一緒に校舎をでた。春樹はいつも行き帰りを安藤さんの車で送ってもらっていて、みんなと一緒に帰ることはなかった。この日初めて春樹は一人で歩いて家に帰ることになった。ここからだと歩いて1時間くらいだろうか?


「はーるき!」


夏樹が嬉しそうに春樹に話しかける


「あのさ、春樹と帰るの初めてだね。よかったらうち寄って行きなよ」


夏樹の誘いに春樹はうなづき、二人で夏樹の家まで寄ることになった。


「友達の家か‥。」


前の学校でいじめにあって以来、いつもひとりぼっちだった春樹は友達の家に遊びに行くことがすごく懐かしく感じた。転校する前のいじめられていた辛い記憶よりも、遊びに行く楽しかった過去が脳内で再生された。そういえばいじめらる前はみんなで遊んですごく楽しかったな。


そしてなにより中学生になってから女の子の家に遊びに行くのは初めてだった。春樹はすこし照れ臭さもあったけれど、夏樹の誘いにのり、二人で夏樹の家まで遊びに行くことに決めた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ