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第五話 『集団ギルドとメイド様』

上層階を目指した晴人とロゼッタはアステール1日目の朝を迎える。

早朝6時に起床した晴人は突然大声で叫んだ。


『やべー!親父の朝飯作ってねぇー!!!』


小鳥がびっくりして何羽か飛んで逃げてしまった。

するとそこに…


「なに?こんな朝早くに叫んじゃって…。」


ぐっすりと寝ていたロゼッタを起こしてしまった。

寝起きのせいか少し機嫌が悪く”ムゥ”とした表情である。

これまた少し可愛い。


「あっ…ゴメン…。」


「現実の世界が恋しくなったとか?」


「いや…。親父の朝食作ってなくて…」


毎朝、現実の世界で朝食を作っている晴人。

高校生で父親の分まで作るとは今時いない。

珍しい?いや、母親を亡くしてからは仕方ないと言っていい。

何と言っても父親の飯はクソ不味くて食べれない。

だが晩飯でたまに作ってくれる”ふわふわ玉子オムライス”は泣けるほど美味い。



その頃の現実世界では──



「置き手紙も無しに朝食も無しか….。」


晴人の父親は寂しい感じで朝を送り、

台所の物入れをあさって食べ物を探していた。


「カップ麺しかないか…。」

栄養面などいろいろ考えると朝に食べるものではない。

だが渋々カップ麺を食べる父親だった──。



異世界では──



「そういえば朝飯ってないよな!?」


「朝食なら近くにあるわ。」


早速2人はアステールの上を進んだ。

第3階層にあるワールドで小さなカフェがある。

一見、小さな家で誰か住んでるような外見。


「ねぇ、あれ?集団ギルドじゃない?」


小さなカフェを見つけたと思いきや、

集団ギルドと言われる大人数でのダンジョン攻略を目指すチームのことだ。


なにやら様子がおかしい。


集団ギルド達は赤と黒色の服装が目立ち、人数でいうと8人ぐらいはいる。

大きな鉄の盾を構えてる盾使い人もいれば長いランスを使っているランサーもいる。

見た感じは高ステータスカードの持ち主だらけのギルドと言っていいくらいだ。


「ねぇ、あんた達?集団ギルドなの?」


「なんだテメェら…。」


突然、ロゼッタが集団ギルド達に声を掛けた。

ギルドのメンバーは皆こっち側を鋭い目で見ている。

絡んだらヤバい人達と察知した晴人はロゼッタを止めようとする。


「あっ…。ごめんなさい。他所のカフェに行きますね…」


「私たち、カフェに入りたいの…。退いてもらえるかしら?」


おい、この女状況をわかってないな…

圧倒的に8対2じゃ勝ち目ないし、見た目の装備も全然違う。

なに強気に突破しようとしているんだか…。

この場から立ち去りたいーー。そう考えていた晴人。


『助けておねぇちゃん…』


カフェの中から少し少女の姿が見える。

そして小さな声で助けを求めてきた。


「その子、嫌がってるじゃない…。」


「こいつは俺達の仲間なんだよ!な、お嬢ちゃん。」


晴人とロゼッタは確信していた。



“仲間ではない。”



だが集団ギルドに立ち向かうほどの戦力もなければ勇気もない。

しかし、このままほっとく訳にもいかない。


『さっさと失せろよ!この雑魚どもが…』


と言いながら集団ギルドの体型の大きいボスが、

自身の持つ大きな大剣を振りかざした。



するとそこに──



『──雑魚は君たちじゃないのか!?』


突如、青の装備を着たダガーナイフの二刀流使いが

集団ギルドのボスの背後に回り首元をナイフで脅した。

ボスは冷や汗をかきながら目も泳いでいた──。


「悪りぃ…。俺が悪かった…」


「もう二度と近づくな!いいな!」


「はい…。」


そう言いながら赤黒色の集団ギルドは立ち去っていった──。

危機的な状況をなんとか回避した晴人とロゼッタ。


「案外弱かったね、あの人達…。」


「お前が言うな!殺され掛けたんだぞ!」


すると小さなカフェの中から出て着たメイドの少女。

小さな声で”モゾモゾ”と話しかけて着た。


「おかえり、お兄ちゃん!」


「大丈夫だったか?メイ…。」


なんと、メイドの少女のお兄さんが助けてくれたのだ。

青装備のハンターはカフェの材料を買いにユッピテルシティー中心街に出かけ帰って着たところだったらしい。


「君達はジ・ディレオンを倒しに?」


「はい!妹が拐われてしまって…。」


「それは気の毒だね…。」


青装備のハンターは時間を気にしながら慌てていた。

なにやら予定があるらしい。


「ゴメン…。ちょっと攻略会議に参加しないと。」


「攻略会議ですか?」


「一緒に来るか?」


『はい!!!』


モンスターを倒すヒントが得られそう。

そう思いながら、

晴人とロゼッタは青装備のハンターと一緒に攻略会議へと参加することになった──。

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