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第95話 マブシの尋問

真神です。

アクセス解析ですごいなと思うのが、この小説を読んでくれている端末がわかる事なんです。パソコン、携帯、スマホとあって、あらすじにスマホの方に最適と書いてあるからかどうかは謎ですが、ジジイ無双はスマホの人の方が多いかな。もちろんパソコンも同じぐらいの数なのですが。意外にも携帯で読んでくれている方もいてうれしいです。

それでは今日もお願いします。

結局朝まで飲まされたわしは、つぶれたゲタンとジョコを部屋に寝かして

まだ陽が昇ったばかりの家の外に出る。


すると、わしより先に外に出ていたエメリさんに会った。


「おはよう、エメリさん今日は早いのう。昨日は眠れんかったのか?」


「ああ・・ジジイ・・んーーやっぱりちょっと寝付きが悪くてな・・

ちょっと散歩につき合ってくれねーか。」


「おお、いいね。エメリさんと久しぶりに散歩デートじゃな。」


エメリさんは、わしのそんな軽口に物憂げに笑って先を歩き出す。


お互い無言で歩き出す。エメリさんの隣を並んで歩く。


そっと手をつなごうと、手を添えたら怒られた。


あんな事があってすぐにどうこうできんとは思うが、いきなり忘れるのではなく、

少しづつで良いから日常に戻ればいいのじゃとエメリさんに小さい声でつぶやいた。


エメリさんの顔は見えなかったが、小さくうなづいてくれたように思う。


しばらく歩いて回ってゲタンの家に着き、皆と朝食を取った。


 ※※※※


朝食後は、わしとゲタン、ジョコでマブシを取り調べじゃ。

もちろんマブシは手を縛られたままでじゃ。


マブシは今朝目が覚めたそうじゃ。

ジョコに倒されてからずっと意識を失っていたようで、

起きて縛られていた事にびっくりしていた。


「じゃあお前はあの時の事を全然覚えておらんのか? 本当か?」

ゲタンが問いかける。


「ああ、本当に覚えていないんだ。うそじゃねえって。

ジョコに殴られたのでさえ知らねえんだ。」


「じゃあ、お前は自分は寝ていただけでまったく身に覚えもなく、

起きたら拘束されていたというのだな。」


「・・・・・・・・・・・・・」

マブシは黙る。なにか考えているようだ。


「どうせ信じてくれねーよ・・・・」

小さい声でしぼりだすように言う。


「おれが、本当の事を言っても、どうせ誰も信じてくれねーだろう。」

マブシが声を荒げる。


「そうじゃな、お前に他の誰かが乗り移って勝手に暴れ出したなんて

誰も信じてくれんわな。・・・わし以外はな・・・。」

ニヤッと笑いながらマブシをみると、

少し驚いた顔をしたがすぐに食いついてきた。


「そ、そうなんだよ、俺は体を乗っ取られて自由を奪われていたんだ。

だからおれは悪くはないんだ。」


「ほう、体を乗っ取られただけと。じゃあ乗っ取られていた時に

意識はあったのか? それとも意図的に体を乗っ取らせていたのか?

ん、どうじゃ。」


「・・・・・・・」

またうつむいて黙る。


らちがあかんので、わしが持論をマブシにぶつけてみる。


「わしが思うに、お主の体を操っておった奴・・・まあ面倒くさいので

Aとしようか。Aは無条件でお主の体を乗っ取れるわけではないのじゃないか?

しかも時間制限付きじゃ。つまりお前とAは共謀していたのではないか。」

わしがそこまで言うとマブシは顔を青ざめた。

しかし続けてわしがたたみかける。


「確かにAがお主の体を乗っ取っている時はお前さんの意識はないかもしれんが、

体を貸すにはお主の了承がいるのではないか。

では、なぜお主がその得体の知らないAなんぞに協力しておったか?

ということじゃが・・・」

といってマブシを見る。

マブシはうつむいたまま顔をあげようとはしない。


「どうじゃ?自分で言うつもりになったか?」


「・・・・ああっ確かにジジイのいう通りだ。俺は取引をした。

そいつはラ・メーンと名乗っていた。」


ラ・メーンって絶対うそじゃな。

まあ、こんな雑魚に本当の名前なんぞ明かさんわな・・・。


「そいつが俺の体を操っている時は全く記憶がないのは本当だ。

いつも寝て起きたら時間が経っているという具合でその間俺が何をしていたかは

仲間から伝え聞くだけだから・・・」


「そのラ・メーンって野郎はどんな奴なんだ。」

ゲタンが聞く。


「いつも俺の頭に直接語りかけてくるだけで、姿を見たことは一度もない。」


「お主から呼び出す事も出来るのか?」


「いや、いつも向こうから俺に一方的だった。向こうから頼まれ、

俺の了承を得ればしばらくの間、体を自由にさせてやるっていう感じだった。」


「うむ、にわかには信じられんな・・・。

そんな他者を乗っ取る事ができるとは。」

ゲタンが渋い顔をしている。


「いや、本当だ!俺は嘘をついていない。全部正直に話している。」

マブシが必死に訴える。


「いつからじゃ、いつからラ・メーンはお主に接触してきたのじゃ。」


「あれは、確か30日前ぐらいだ。毎日俺が寝る前になると話かけてくるんだ。

毎日毎日。最初俺は気が狂ったのかと思って、話を一切聞かなかったのだが、

そのうち話を聞くようになって段々・・・信用するようになって、

体を貸し始めるようになったんだ。

そうしたら、アイツは俺の約束通り何でもやってくれた・・・。

狩りで大物をしとめるだとか、

俺のやりたくない仕事をこなしてくれるだとか・・・・

あとは気に入らない奴を痛めつけておれに逆らえないようにするとか・・・・」


ラ・メーン意外に苦労人じゃな・・・・

信じてもらう為に必至じゃな・・・


「うむ、そして最後にエメリさんを欲しいと望んだのか?」


ゲタン、ジョコがじっとマブシを見据える。


「・・・そうだ、俺はエメリが好きだった。

好きで好きで気が狂いそうなぐらい好きだった。

だからおれはエメリを望んだんだ。尻相撲大会で優勝して

エメリを手に入れる事を望んだ。」


「うむ、ラ・メーンも始めは優勝してエメリさんを獲得する予定じゃったのだろう。

しかし尻相撲で優勝しても、阻止されたり面倒くさそうじゃから、確実にエメリさんを

手に入れる為にさらったのじゃろう。これからもお主を利用するために。」


「ああ、エメリをさらった事は俺も知らなかった。

でも、それでもよかった。おれはエメリと一緒になれさえできれば・・・」


「馬鹿野郎〜〜〜〜〜〜〜」

ばちーーーーーーーーっっっっ


わしはマブシの顔を平手打ちした。


「なっなにす・・・・」

ばちーーーーーーーーっっっっ


「しぇからしか〜〜〜〜〜〜〜」

わしは平手打ちからの〜〜往復ビンタじゃ!


マブシは打たれた事に驚きわしを見る。


愛のムチじゃ。じゃけど愛はない。

だからただのムチじゃ。


しかしムチでもないので

ただのビンタじゃ。


いや、ただのわしのうさばらしじゃ!

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