第94話 狂乱の終わり
真神です。
アクセス解析の話しかね〜のかよという思いを受けて、まだ書きます。
意外に土曜日より、みなさん平日の方がみてくれているかな?と思います。
もちろん1番は日曜日の夜ですけど。やっぱり土曜日はみなさん休みで遊んだり
忙しいのかな? 自分はがっつり暇ですので土日は他の小説読んでますけどね。
まあ、真神のアクセス数はまだ少ないので一概には言えませんけど、
いままでの傾向をみてそう思いました。※諸説あります。
それでは、今日もよろしくお願いします。
マブシ一味を倒した後、全員束縛した。
ゲタンが村人に説明して今夜は祭をお開きにした。
まあ、あんな事があった後に祭を続けるほど森の民も、図太くはないわな。
いつもの夜の静寂を取り戻した後、わしと、ジョコ、ゲタンで今日の
事件について話合いが行われた。
「まあ飲め、今日は飲まんとやっとれんな。」
とゲタンが果実酒をすすめる。
確かに色々ありすぎて疲れたわい。
すすめられた果実酒をグビグビと飲み干す。
ジョコも黙って果実酒を飲み干す。
そんなジョコにわしは声をかける。
「お疲れさんじゃったな。正直あそこまで圧勝とは・・びっくりしたわい。
これはセコスもうかうかしておれんな。」
「いえ、やっぱり最初に油断してマブシを調子に乗らせたのが・・・
私もまだまだ未熟です。尻相撲のチャンピオンと天狗になっていた自分が恥ずかしいです。」
「なにを言ってる、遅くなった俺に、おいしい出番をとっておいてくれたんだろ、
気を使わせて悪かったな。ありがとよジョコ。」
ガハハと笑いながらゲタンがジョコを優しく慰める。
ジョコはその優しさにうるっときたのか、涙がこぼれないように上を向いて果実酒をあおる。
その様子を生温かく見守りながら、わしも酒をあおる。
少しだけ和んだあと、話を切り出す。
「それで、マブシの事じゃがの・・・・どういう奴だったのじゃ?」
「うん、まあ確かに昔から素行が悪いチンピラのような奴だった。
村のはずれにある空き家に仲の良い、同じ様な素行の悪い奴らとたむろっていたようだ。」
「ちなみに、後から現れた黒布の一団はその仲間達だったみたいです。」
「うむ、まあ素行が悪く、嫌われておるとはいえ、この森の村では
働かない者は食っていけないので、ちゃんと与えられた仕事はこなしておったようだしな。」
「確かに、素行が悪い奴とはいえ、今日のような大それた事をやるような度胸は
なかったと思いますけどね。」
「ふむ・・・・・」
ゲタンとジョコの会話を聞く限り、豹変したのは尻相撲が始まったあたりかいな・・・
と考えているとゲタンが、
「おい、ジューロー。お前何かマブシと話していたな。何を話していたんだ?」
「うむ・・実はあいつ、わしの名前を知っておったのじゃ。
この世界では誰にも話した事がないのにじゃ。」
「ん?この世界とはよくわからんが、お主の名前ならみんな知っておるじゃろ。
ジューローなんて。」
「いや、わしの本当のなまえはコバヤシジューローというのじゃ。
今まで誰にもそれを話した事がなかったのに、それをあいつは知っておった。」
「コバ・・シ・・なんじゃへんな名前だな、長いし。」
「ふふ、まあ、それがわしのいた世界では普通じゃったんじゃ。」
「よくわからんが、まあええわ。それでジューローはマブシをどう思う?」
「わしの意見をいいか?何を馬鹿なと思うかもしれんが、
マブシは何者かに操られておったのじゃないかと・・・」
「操るとは何の事だ? マブシ自信が、心変わりしたとかではないのか?」
「操るとは、マブシにマブシではない第3者が体の中に入り、
好き勝手していたのではないかという意味じゃ。」
「何を馬鹿な!そんな事がありうるか!」
うん、やっぱりゲタン達には難しいか。それはそうじゃろう、
この世界にそんな現象が起きた事はないじゃろうし、理解しろという方が難しいか・・・。
いやいや、わしだってフィクションではよくある設定だからすんなり受け入れられるが
実際にそんな事ないわな・・・
「だが、思いあたる事もあります。マブシは口先だけの男で、いままであそこまで
強気になった事はありませんでした。性格的な変化だけなら、
今のジューローさんの話は信じられませんでしたけど、今日戦ってみて、
今までは、というか1週間前までは、あそこまで身体能力が高くなかったですし・・・
まさに別人でした。」
とジョコが冷静に思った事を話す。
「・・・ジューローはどうしてそう思ったのじゃ?」
「もちろんさっきの名前の件もあるが、エメリさんのことじゃな。
あいつはわしに言ったのじゃ“エメリはマブシとの約束でさらって嫁にする”と。
つまり第3者がマブシに乗っ取り、後でマブシにエメリを与える約束を取り付けた事により
この計画に加担させたのではないかと。
その事から、その第3者は長い時間マブシを乗っ取る事は出来ずに、
しかもある程度のマブシの協力がなければ体を使えないのではないかと思ったのじゃ。」
「ううむ・・にわかには信じ難いのだが・・・そう考えるとしっくりくる部分は確かにあるな。」
ゲタンもわしの話を聞いて考え込む。
ジョコも特に疑ってはいないようじゃ。
「まあ、そのへんは明日の朝マブシが目覚めたら詳しく事情を聞いてみよう。」
今は仲間と共に簀巻きにされ、倉庫に寝かされておるのじゃ。
もちろん見張りも付けてな。
エメリさんも今日はあんな事があったのじゃから、このゲタンの家で女衆と
一緒に寝ておる。わしらもいて安全だしな。
さて、この事件の本当の解明は、また明日マブシが起きてからじゃな。
その後もゲタンに酒とグチにつき合わされたわしとジョコは結局朝方まで寝る事はなかった。
ゲタン恐ろしい子。




