第84話 尻相撲予選会
真神です。
自分は梨が好きです。
この次期巨峰派、りんご派、梨派に別れて争います。
でも・・・結局全部おいしい派です。
さっ今日もよろしくお願いします!
だいぶ陽も暮れて空が青ずき始めた頃、ネル族の中央広場に男衆が集まり始めてきた。みな、上半身裸で下はふんどしのような布一枚じゃ。その広場には相撲の土俵のような直径5mの円が描いてあり、その四方にはかがり火が焚いてある。いつの間にやら尻相撲には参加しない、女衆や子供がまわりを取り囲み、果実酒やら、果物やら、じゃがいもを食べながら見ている。
完全に陽がくれたと同時にムッキムキスブムが現れた。顔にさっきわしが殴った跡か、少し腫れてはいたが大丈夫そうじゃ。
「只今より、へべれけヨコチン尻相撲予選会を始める!では、参加証を持った物達は順番に5人づつこの輪に入るように。」
ぞろぞろと適当に5人づつ輪に入っていく。
「それでは~~~はじめ~~~い」
輪に入った男達がふんどし1丁で尻相撲を始める。そうじゃな…擬音でいうなら
わっきゃわっきゃじゃ!ごちゃごちゃに、わっきゃきゃしてるとしかいいようがない。もちろん手は使ってはいけないので、不可抗力でも手を使った者は失格になっている。
「のう、ちょっといいか、へべれけヨコチン尻相撲は果実酒を飲んで、丸太の上でやるって聞いたのじゃが…」
「なんだジイさん初めてか?っとジューロー殿でしたか。なるほど。毎年あまりにも人数が多いので、予選会からへべれけるともう笑って笑って、笑い死ぬ人が続出しすぎるそうです。しかし本当は予選会から盛り上がり過ぎて本戦はみんな笑い疲れて
そこそこの盛り上がりになってしまうからみたいですけどね。」
と若者は丁寧に教えてくれた。そうか…セコス、これ本当に名誉?名誉でやってる?
などと会話していると、どんどん進みわしの番に。
すると今まで後ろに並んでいた者達を押しのけて4人が割り込んできた。なんじゃ、感じ悪いのう。
はじめ、の合図と同時に4人のケツがわしを襲う。1人のケツが突き出たと思ったら、次の尻が突き出る。同時ではなく、時間差でケツを突き出してくるのじゃ。なかなか統率がとれたケツじゃわい。
「何者じゃお主達。」わしは問いかける。
するとケツ越しにこちらを見た一人が答える
「俺達はセイム親衛隊 16隊隊長のスプー、われらのアイドル、セイムさんを娶ろうと邪な考えをおこすものを成敗する者。お前に勝ち目はない、大人しくケツを差し出せ。」
そんなケツ越しにかっこいいセリフ言われても…くう、これは思ったより、セイムさんと結婚するのは骨が折れそうじゃわい。
「くっくくくくなるほどのう、セイムの親衛隊とは…。それでこそ潰しがいがあるということよ。だがしかし、お主らの攻撃は見切った! いくぞ!!!」
と同時に奴らが突き出すケツにカウンターじゃ。一人時間差攻撃のように、ひとりひとりのケツに合わせていく。擬音だとボイーン、ボイーン、ボイーン、ボイーンじゃ。ひとりづつ押し出されていく。
滑稽じゃ。そんなわしも滑稽じゃ。必至なわしらをよそに、見ている女衆や子供は大爆笑じゃ。わしでも笑うのじゃ。ボイーン、ボイーンって…
結局最後まで残ったわしがあっさりと次の予選に勝ち抜け。
でも、わしが勝った時スブムが舌打ちしよおった。
「チッッ」って…聞こえておったぞ、スブム。敵じゃなコイツは。などと黒いものが渦巻いてきた予選会を繰り返した。その後もセイム親衛隊のザコが押し寄せてきたが返りうちにしてやった。大爆笑じゃ…
……いつか笑い死にするよ、君たち。
そして本戦進出者が決定した。全部で16名じゃ。本戦は明日から1回戦8試合。2日目2回戦4試合、3日目準決勝2試合、そして4日目決勝じゃ。やばい…へべれけヨコチン尻相撲いきおいだけではじめたんじゃが、天下一武道会みたいになってきた。1戦1戦やると話しが長くなりすぎるので、ダイジェストにするか…それか全部夢オチとか…いや、いっその事全部なかった事に…
という所で目が覚めた。本日の1回戦の試合は日が暮れた夜じゃ。
………さすがに夢オチはまずい。




