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第82話 参加資格印

真神です。

小説を投稿してもうはや2カ月。

このペースで毎日投稿し続けたら・・・・

ものすごい超大作ですね。

他のみなさんも1日1話ペースなんでしょうか?

まあ自分は1日1600文字〜ペースなんで書けるんでしょうけど。

それでは今日もよろしくお願いします。

へべれけヨコチン尻相撲は約300日に1回の森の民の1大イベントらしい。森の民には1年とか1月、1週間とかの時間の概念がない。歳もだいたいの目安で、300日毎で数えている人もいれば、背、格好で決めている人もいる。このぐらいの大きさになったのだから12歳な!だとか。まあ、大きくなってからは300日きっちり取るという人も多いみたいじゃがな。


このへべれけヨコチン尻相撲に優勝するという事は、森の民にとってものすごい名誉みたいじゃ。


もちろん優勝者賞品強制指定券目当ての奴もおるじゃろうが、あくまでも森の民のNo.1という称号が目当てで、勝者賞品強制指定券は副賞みたいじゃ。それほどの栄誉ある尻相撲大会なのじゃ。


わし、思うんじゃが…なんで尻相撲なの?普通に相撲とか、格闘技戦の方が格式高いとおもうんじゃが…という疑問をセコスにぶつけてみた。


「格闘技だと本気でやりあうとなると、けが人が続出でお祭りどころじゃない。あと、真剣勝負だと実力差が顕著に出過ぎて、すぐに決着がついて盛り上がらないんだぜ。やっぱり300日に1回のお祭りだからケガとかしたらつまんねーし。それに果実酒を飲んで、丸太の上で、尻で相撲、お酒あり、ハプニングあり、お笑いありだ!

盛り上がるだろう。盛り上がりがすべてなんだ!」


……おい、栄誉。

森の民の尊厳じゃないのか。おもいっきり娯楽やんけ! 日本のバラエティーか!


まあ、確かにガチンコで戦ってケガでもしたら…ましてや、死んでしもうたらそれこそ取り返しがつかん。みんなそれぞれ生活もあることじゃしのう。こちらは娯楽が少ないから、そういう意味では盛り上がり重視のへべれけ尻相撲なんじゃろうな。


「それで、参加資格じゃが…。」


「ああ、前回の大会が終わった後から次の大会が始まる前までに、

だいたい300日間だな、村の5人の男から印をもらわなければいけないんだ。つまり、森の民としてしっかり仕事をしていますよ、というアピールをして大会でに出る許しを請うわけだな。

まず、北の俺、東のトンタ、南のサンタ、西のゴバン。最後に族長のスブムだ。内容は何でもいいんだ。誰かを手伝った、果実、野菜を取ってきたよでも。狩りで獲物を捕っただとか、薬草を採取しただとか。ちゃんと仕事をしていますよという事を証明して認められれば、大会出場させてもらえれるんだ。簡単だろ? まあ予選開始まであとこのぐらいしかねーけどな。」

とセコスは日時計の目印を差す。予選が始まる日暮れまであと4時間ぐらいか…


「わかった、セコス、はい 印ちょ~~~~~だい!」

ちょっとハニカミ気味で言ってみる。


「なにがちょ~~~~~だいだ! 全然可愛くないんだよジジイ。だれが妹を狙うような奴に簡単に印をやれるかっていうんだ。」


「セイムさんを狙うかどうかは、この印もらうのと関係ないじゃろう。あくまでも仕事アピールなんじゃから! 私情がはいりすぎじゃぞセコム。」


「うるさい! たとえ私情でもいいんだ、俺の気分次第でな。くっくくく」


「本当はうそじゃ、セイムさんなんかいらん!わしが勝ったあかつきには、セイムさんの晩ご飯の残りカスを所望しようとしていただけじゃよ…わし」


「えらい卑屈な発言だな…それはそれで嫌だが…。」


「本当じゃ、この目を見てくれ、真剣な眼差しでまばたきしないんじゃ、ゆっくり30数えても目をつむらないくらい本気なんじゃ」

真剣な顔でセコスを見る。


「ほれ、いくぞ1~、2~、さ~~〈ザクッッッッ〉痛い~~~~、虫が~~目に虫が~~~~」

地面を転げまわった。


「3ももたねーじゃん。はいご苦労さん。また来年ね。」


「い~~や~~~じや~。いっぱい頑張ったじゃん、わし。仕事ならいっぱい頑張ってたじゃろ、わし。」

セコスの足下にしがみつく。離さん、印くれるまで離しはせんぞ!


「離せよジジイ。必死すぎて恐いわジジイ! まあ、確かにな。

本当なら1発OKなんだけどな…妹がなぁ…ジジイになぁ…」


と、あくまでセイムさんとのことをこだわるのじゃ。こうなったら口で適当にごまかして、実際に勝者賞品強制指定券を手に入れた時にセイムさんをもらえばいいのじゃ。ぐええへっへっっへ~~~~。よし。


「わかった、わかった、お兄さん。わしはセイムさんを諦めて新築の家を所望するわい。」


「だれが、お兄さんだ!、諦めてねーじゃないかよ。まあ本当に諦めてくれるなら、合格にしてもいいんだが…それに出場しても勝てとは限らないしな。わかった、しぶしぶ認めるぜ。」


と、言って丸いメダルの様な木できた印をくれた。メダルは3cmぐらいの小ささだが、こっちの言葉で北を現す字が描いてある。


「ほら、これであと4つ集めれば出場できるぞ、早く次ぎに探しに行けよ。」


「うし、これでお主に用はない、ちなみに東のトンタはどこトンタコス?」


「…イラッとしたから自分で探せ。」

しっしっと追い払う仕草をする。冷たい奴じゃ。


広場の男衆の中にいるかと思い、トンタの事を尋ねてみてはみたもののいないとの事。しかたがないので直接家を尋ねてみようと、教えられた家の前まできたが、声をかけてもノックしても誰も、何の反応がない。しょうがないので踵を返そうと思ったら、家の裏手で声がする。


「ん~~~、はぁぁぁ、んっ」

おっさんのうめき声のようなものが聞こえた。ゆっくり歩いて裏手に回ってみると衝立の裏から声がする。


「もしもし、だれかいるのか? うめき声がしたが、どうかしたのか?」


「ああっ誰だ!おれは今お腹がくだって、くだって…くお~~」


「そうか、確かに臭いな…つらいじゃろう。今薬のオオバコ〈下痢止め〉を持って来てやろう。」

と、言って薬を管理している薬小屋に行きオオバコを持って来てやる。

ちなみに薬草はわしが、教えた4種類を子供の部隊で収集、乾燥など薬にするまでの工程をすべて任せて、その後薬の管理も女衆に任せておる。森の民は必要に応じて自由に薬小屋から持ち出せるようになっておるんじゃ。各家でも、いざと言う時のために管理もしておる。


「おい、飲めるか?」

薬草を湯に付けてしばらく冷ましたのを漉して渡した。


「す、すまねえ、助かるよ。」


「ところでお主はトンタさんか?」


「ああ、そうだが、なんだ?俺に用だったのか?」


「ああ、お腹が下ってピーピーのところ申し訳ないのじゃが、

尻相撲に出たいので印をくれんかのう?」


「印?ああ東の印か、あんたは俺のために仕事をしてくれた訳だし問題ない。今動けないから、家の居間に積み上げてあるから勝手にもって行ってくれてかまわんよ。」


お礼を言い、勝手に居間を物色し、勝手に積み上げてある印を持っていく…何か某ロールプレイングゲームにありがちな風景だが、こう、タンスや洋服棚をあさってツボとか割りたくなるな…


我慢じゃ!

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