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第77話 ラドン温泉

 「天然の放射性物質が溢れておる…」

 「なっ、なんじゃそれは?毒か?毒なのか?」


 「なるほどのう、草木が生えないわけじゃ。」

 「やっぱりそれは毒なのか、ジューロー。だからここは生き物が住めないハゲ野原なのか?」

 ゲタンがやたらと毒を心配する。何か嫌な事があったのか?


 「うむ、この地に永い事滞在すれば、するほど、健康になってしまうんじゃ!」

「は? どういう事だ。」


 「つまり、この地からは、微量なら体に良い物質が溢れ出ておるのじゃ。草木が生えないのは温度が高すぎて適してないからだけじゃと思う。」

 「例えばどんな効果があるのだ。」


 「そうだな、例えば

 ・免疫系を活性化させ、体に抵抗力をつける

 ・健康を保つために必要な各種ホルモンや酵素の分泌量を増やす

 ・壊れた細胞の再生を促す

 ・炎症や痛みを抑える

 などわしらにとっては最適じゃ!」


 「おお、それはすごい。まさに聖域ですねここは。」


 「そうじゃ聖域じゃ。その聖域にふさわしい地名をわしが名付けてやろう。よし!決めた!!この聖地を万病に効く地という意味を込めて《ラドン温泉》と名付けよう!!」


 「おお、意味はわからんがすごい自信だ!」

 などとゲタンが中野さんのようなセリフを吐く。


 「そうね、なにかこう、大きい生物のような感じがするな。」


 いや、エメリさん。何で知ってるの?調べたら本当にあるじゃん、特撮だけれども、空の大怪獣ラ○ンって。もちろん違うラドンだからね。エメリさん。


 「そうだな、まさにこ…」

 「いや、ジョコはボケんでええ!!」


 ビシっとしめといたわ。ボケが3発続くとしつこいからのう。しょんぼりするジョコを可哀想だとも思うが、許せ、わしは人のボケには厳しい男なのじゃ。


 「なかなかいい名前だと思うぞ、俺は。よし!この聖地を中心に村作りをしよう。ジューローいいか?」

 「うむ、申し分なしじゃ。」

 他の二人もうなずく。


 しばらく4人で横になりラドン温泉を満喫する。


 仰向けになりながらわしは、将来的にはここを観光地として、テーマパーク化してもおもしろいと思う。


 岩盤浴だけじゃなく、色々な催し物をして、観光客を誘致できれば外貨を稼ぎウハウハじゃ。


 そしてエメリさんと一緒に結婚して、旅館を経営しよう!ウハウハじゃ。もちろん子供も作りウハウハじゃぞ!


 などと横にいるエメリさんの横顔を見ながらニヤニヤ想像していたら、見透かされたのか、


 「何笑ってるんだよ、気持ちわりーんだよ!」

 とキレられた。


※※※※※


 しばらく横になるつもりがあまりにもポカポカ気持ち良すぎて寝過ぎてしまった。目を開けるともう辺り一面、コバルトブルー一色だった。


 ふと足下に気配がしたので、何気なく見たらビックリした。


 熊が寝ているのだ。足下に大人しく…いつの間にと思ったらさらに驚愕の光景が……


 この聖地一帯、禿げている平地、つまりラドン温泉にびっちり動物達が集まってきているのじゃ。森の生きとし生けるもの全てが集まっているんじゃないかと思うぐらい生き物が所狭しと寝ている。


 そうか…ここはわしら森の民だけではなく全ての者にとっても癒しの地なのだな。やはり物欲だらけのテーマパーク化はやめるか。などと考えていたら、起きたゲタンとジョコが一通りびっくりした後、獣を狩ると言い出したのでなだめて諦めさせた。


 ここでは殺生禁止という規則にしようと思う。


 この聖なる地、ラドン温泉だけは、森に生きるもの全てにとって唯一、神の慈愛を感じられることが出来る地なのだから…。


 ちなみにエメリさんは小動物(うさぎのような可愛らしい動物)に囲まれてくんかくんかされてて、うなされていた。


 わしも途中からどさくさにまぎれてエメリさんにくんかくんかしてたら、起きたエメリさんにバレて、本気で怒られた…


おちゃめじゃろ、わし。

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