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第75話 紙の製造を

 ゲタンが持って来た草はまさしくパピルスだった。


 わしの興奮ぶりとは逆に、なにがなんだかわからんがすごい物なんだろうな~ぐらいの温度でわしと接する。


 パピルスから紙を作る工程には時間がかかるので、途中の工程を教えたいというと、歳は45ぐらいか、チチパという女性を連れて来てくれた。


 外見はまあぽっちゃりした人だな……ごめん太ってる、太ってるわ。まあまあ、まあまあね。子供も巣立って今は手が空いてるらしい。太ってはいてもなかなか器用な人らしく、性格も明るく、人当たりもよいので人望もそれなりある。工程を教えたあとに責任者となり紙製造に従事してもらう。


 わしも簡単に自己紹介をしてチチパさんと挨拶をすます。


 それでは早速、簡単に説明するぞい!別に製造工程の説明なんて必要ないかもしれんが、これからもし、キミが無人島に漂流したら役立つ情報かもしれんから読むように!


 無人島で紙をつくれば……その、日記とかをつけてじゃな…助かって生きて帰れれば…無人島日記としてベストセラーじゃ。

 もし、もしもじゃよ、助けがこなくても、後世に発見され無人島日記としてベストセラーじゃ。日記つけるよりも先にやらないといけない事いっぱいあるけどね(笑)


 それではダイジェストでいくぞい!


 ●まずパピルスの茎を使います。

 ●外側の皮を剥いで茎を2mmくらいに薄くスライスします。

 ●木の棒でたたいたり、棒をローラーのようにしてスライスしたパピルスを伸ばして水分を出して平たくします。

 ●それを水に浸して1週間ぐらい放置します。

 ●格子状に並べて、上に重しをのせて水分を出し切ります。

 ●その後天日干しで乾かして、キレイに隅っこを切って形を整える。

 ●完成した紙を貝殻などで磨けば完成!


 紙のできあがりじゃ!。


 読んでくれたかな。飛ばして読んだキミ! わしはそんなキミを責めたりはせんぞ!


 次はインクじゃが、木を燃やして出たススを集めて、黒い粘度などに混ぜ込んで乾かして

鉛筆の芯のような物が作れるか試してみるか。


 イカとかタコがおったらスミを集めることもできるんじゃろうが、まあススを集めるほうが簡単かな。それか木炭を作るか。折れにくい細い木を色々試して作ってみよう。それも一応作り方を伝えておいた。


 わしは伝えるだけじゃ。あとは作る人に丸投げ。そして出来た物を審査、品評、姑の様な指摘をするだけじゃ。ゲタンにも紙の有益性を伝えておいた。もし城下町にも王城にもなかったら、ものすごい取引商品になる。紙を使えば、ありとあらゆる事ができる。


 例えば、手紙、あるいは記録、目録、計算、紙袋、包紙など、書くもの以外にも紙を使った形成物なんかも。


 ゲタンも聞いているうちに段々興奮してきたのか眼がらんらんとしてきた。有益性を理解してくれてうれしいのう。


 ……ほうほう、それも出来るぞ、

 ふ~~ん、まあそれもギリ出来るじゃろう。

 …………………

 ……………ふんふん

 えっ………紙オムツってなに?


 発想が飛躍しすぎだろう! またか? またこの世界でオムツプレイか!流行らせようとするのか!ゲタン。流行らせはせんぞ!オムツ!


※※※※


 オムツの話しは置いておいて、今わしとゲタン、ジョコ、エメリさんは森の中を歩いておる。エメリさんはわしのマスコットガールじゃ。暇なのか誘ったら付いてきてくれた。これで、ちょっとわしにデレてくれたらのう。


 そんなことより今、わしらは森の民統一を目指し、色々な統合を進めておるのじゃが、森の民を1つの村にまとめて住もうという計画も進めておるのじゃ。まあ、今まで住み慣れた土地というのもあるのでなかなか踏ん切りが付かないという民もいるじゃろうが、今のネル族、ヌル族のまま分かれて住んだのでは全然1つにまとめ切れないしな。


 そしてわしも今居候している3帖の食料庫から脱出してわし専用の大きな木造2階建ての家を作ってもらうのじゃ。内装は真っ白にして、子供部屋、夫婦の寝室を広めに取り、いちゃつくのじゃ。そして広い庭に大きな熊のシギンを飼うのもいいのじゃ~~~。


 という事で村を移転する候補地を廻っているのじゃ。


 川が近く、水や森の恵みがふんだんにあり、すくなくとも森の民500人が住む事が出来る広さが欲しい。まあ森の民全員というわけではなく、生活基盤のをつくり、畑、道具、武器製造、食料の加工を行い広げて行く中枢の役割の村じゃな。


 色々な土地を廻ったのじゃが、ゲタンが最後にみんなを引き連れ、わしに見せてくれた土地は……辺り一面ハゲ野原というか、草木一本も生えていない土地だった。位置的にはちょうどネル・ヌル族の真ん中あたりにあり、王城、城下町寄りの土地らしい。


 なぜここだけハゲ野原なのか?


 人の手によって造成された土地ではないのに、草木が一本も生えていなのはおかしいと、いぶかしげに見ているとゲタンが


 「ここは俺たち、森の民伝承の地だ。」

 と厳かにわしに伝えだした。


 ふと見たら、エメリさんは

 「こんな時、どんな顔をすればいいか分らない」

 という心の声が聞こえた気がしたので、


 わしはそっとエメリさんに……

 「笑えばいいと思うよ 」

 という○ンジのようなセリフをかけたら


 ゲタンとエメリさんにはあ?何言ってるの?という顔をされた。


 碇○ンジじゃぞ、知らんのか? あのシ○ジを!


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