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第73話 ヌル族の村へ

短めです。1368文字しかなかった・・・

 今日はヌル族の集落ゲタンの家にやってきた。久しぶりに感じるほど時は経ってはおらんかったのだが、なんだか懐かしく感じる。


 ノスタルジックじゃ。


 日本での記憶があるせいか、こちらの世界でも妙にレトロチックというか、素朴な物に対して感じる事がある。森の民も善良じゃ。もちろん、しょっちゅういざこざは起るのだが、なんというか人が朴訥なのだ。強い悪意、憎しみなどを今のところ感じた事がない。


 森の民だけなのか、この世界の住人すべてなのかわからないが、地球人とはその点だけ異なるように感じた。


 それは多分この先の我々の行動次第で変わってくるのだろう。今私達の1つ1つの行いが、すべての未来へと繋がっているのだから。


 悪い行いが負の連鎖へ。良い行いが正の連鎖へ。


 それはわし等が感じてないだけで、良くも悪くも確実にわし等のこの身を、代々蝕んでゆくのだろう。


 わしは地球を離れ、その連鎖から逃れたが、またこの森の民、いや惑星ドリスの螺旋に巻き込まれてしもうたようだ。わしがこの世界に送られたのもたぶん偶然送られたのではなく、必然だったんじゃろう。


 因果な法則から、わしも逃れられぬ運命さだめか……


 などと、ゲタンの家の居間に通されて、待たされた挙げ句、遅れてきたゲタンの強烈な爆音放屁を浴び、熟成された5日分の焙煎されたにおいを嗅いで気が遠くなりそうな意識を必至に繋ぎ止めようと思った時にふと、思った事じゃったのだ。


 後から聞いたのだが、わしが気を失う寸前の言葉が、

 「運命さだめか……」

 だったそうじゃ。


※※※※


 「悪い悪い、最近出ていなくてな。」

 「最近屁ネタが多いようじゃぞ! 気をつけろ。」


 「それより、ネズミの件は片付いたようだな。」

 「うむ、もうそちらにも連絡があったのか?」


 「昨日王城からシスパの使いが来てな、おおまかに伝えて言ったわ。まあ、賠償、裁判などはこれからだとの事だがな。」


 「お主はシスパと繋がっておったから、あの時、物々交換の比率を勝手に少なくされたのに怒らなかったというわけじゃったのか。」


 「あの野郎、俺が黙っていると調子にのりおって、どんどん値上げしてきやがった。シスパとの事前の交渉がなかったら首を絞めとるところだったぞ。何度我慢したことか。」


 「ゲタン殿がいつ暴れだすか、まわりのほうがヒヤヒヤしていましたよ。」

 ゲタンの後ろに控えていた若者が声をかけた。


 あれ、確か初めてこの村に来た時、セコスと親しげに話していた…名前はジャンゴーだったか?


 「ジョコじゃ、まだお前には紹介していなかったな。ヌル族の狩りのリーダーをしとる。腕っぷしはわしに継ぐぞ。わんぱくじゃ。」

 ゲタンが紹介してくれる。


 「先日はどうも。ジューロー殿。セコスから色々と聞いております。お見知りおきを。」

 ちゃんと立ち上がって頭を下げる。


 うむ、今までに無い好青年じゃ。森の民一番の人格者じゃな。


 「ちなみにへべれけヨコチン尻相撲のチャンピオンじゃ。わんぱくじゃ。」

 ゲタンがいい笑顔で紹介してくれる。


 ジョコも何気に自慢げじゃ。


 ……いや、へべれけヨコチン尻相撲チャンピオンと聞いた時点でわしの好青年の評価がた落ちじゃ……大暴落じゃ。


 へべれけヨコチン尻相撲を詳しく聞くとわしに出場フラグがたつので無視してやったわい。


 ジョコが聞いて欲しそうにチラチラ見てきたが、無視してやったわい。

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