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第69話 ジューローの反撃開始

 「どうしたでチュ。私は薬草の対価1小バッキャを払ったんでチュよ、早くここに持ってくるんでチュー。」


 わしは今までの平身低頭の態度をやネズミに尻を向けて横になる。


 「聞こえないのでチューか!ジジイ何度……」


 「シっ。」

 人差し指を口に当てて黙らせる。しばらくの沈黙の後……


 ぶふぉおおおおおあああああああああ〜〜〜〜


 屁じゃ、ネズミに向けて放屁してやった。わしの香ばしい、それでいて高貴なかぐわしい、熟成された芳醇な香りが部屋中に充満する。


 「何でチュ、この匂いは……3年ものだチュ、熟成されすぎた匂いだチュ。なんのつもりだチュか?ジジイ。」


 「へっ何がじゃ? 自然の摂理じゃ。お前さんも屁ぐらいするじゃろ。すまんすまん。」


 「それが、客に向かってする事でチュか!」


 「は? 誰が客だって? お前か? お前が客なのか?ネズミ。」


 ひと呼吸おいてもう、すんごい憎ったらしい顔で言ってやる。


 「おまええええなんかにいいいい〜〜薬草を売ってやらね〜〜。売る訳ねーーじゃん。ネズミなんかに〜〜。」


 すんごい頭悪そうな若者言葉で言ってみたんじゃ。ネズミがキョトーンとしてる。


 「だいたいこんなはした金でなにがもらってやるじゃ。欲しいなら欲しいとちゃんとお願いせんか。まあお主には売ってやらんけどな(笑)。土下座しても売ってやらんけどな(笑)。

 大切な事なので2回言いました〜〜テストにでるから覚えておけよドブネズミが〜〜けひゃひゃひゃひゃひゃ。」


 も〜〜うムカつく、わしがこんな言われ方したら超ムカつくっていう言い方してやった。ワナワナしておる。ネズミがワナワナしまくっておるのじゃ。


 「おのれ〜〜、こんな汚らしい下賤のジジイにこのわたしがそんな言われをするとは許せんでチュー! このジジイが。1小パッキャで譲れんといいならこの村ごと焼き払ってくれるでチュー。」


 ネズミは顔を真っ赤にして怒り、後ろの護衛に指示を出す。2人のうち左側にいた護衛が指示と同時に刀を抜き、わしに斬り掛かってきた。そのまま振り下ろした刀を紙一重でかわし、刀が地面に突き刺さって食い込んだすきに脇腹を蹴り上げ、身動きを出来なくし、顔をぶん殴って気絶させる。


 もう一人の護衛はわしの目を見据えたまま動かない。ネズミはしきりにこの護衛にわしを殺すようにけしかけるが男は動かない。


 確か、ゲタンの所でも会った男じゃが、なかなか腕のたつ男に見える。しかし、この男はネズミがわしら森の民をばかにした行いをしている時も他の者が嘲笑を浮かべておる時も、一切笑っていなかった。むしろ顔をしかめていたぐらいじゃ。


 たぶんネズミを主としてはいないのじゃろう。まあ事情はわからんが、わしらの敵ではないか……。


 わしは気絶させた護衛の頭の上に座りネズミに問いかけた。

 「のうネズミさんよ。お主は商談にきたのか?それともわしら森の民に喧嘩を売りにきたのか?」


 「そ、それはもちろん……商談でチュ。」


 「ほう、さんざんわしらを罵り、蔑み、貶め、好き勝手やってくれたのが商談だというのか? それが城下町での商いの習わしなのか!ええ〜〜どうなんだ!」

ドスのきいた声でネズミを恫喝する。


 「うっうあ……んっく……」


 「くっくくくく、くやしいのう、くやしいのう。さっきまであんなにお前に従順だったジジイに、こんな片田舎の薄汚いジジイに手のひら返されて。放屁されて!

くやしいのう、くやしいのう、くっくくくく。」


 あははははは、くひゃはははははもうムカつく笑い方で笑ってやったのじゃ。本当のわしは優しいのじゃよ。チョー可愛いんじゃよ。ホントダヨ……


 ネズミはわしの隙をついて後ろの扉から外に出ようとした。

 「バカめ、こうなったら外の護衛に命令してこの村ごとぶっ潰し手やるチュ。後悔してもおそでチュよ!」


 わしはあえて無視する。ネズミが外に飛び出そうと扉に手をかけると、先に外から扉を開けられてその場でドシャーーっとでんぐり返る。


 イテテテと見上げた先には……ムッキムキ族長スブムとセコスが仁王立ちになって行く手をふさぐ。


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