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第63話 ムッキムキ

 久しぶりのネル族の村じゃ。えっマジで!30話にヌル族に向かっている話じゃたから、今第63話という事は33話ぶりじゃ。物語の日数で言うと、一週間ぶりぐらいじゃ。


 もう族長のスブムだとか奥さんのセレブさんとか忘れてしもうたじゃろ、読者。まあわしも忘れかけておったがのう…。


 海合宿からヌル族の村へ帰り、しばらく どんぐりと豆、薬草の出来具合などをチェックして一度ゲタンに村へ帰る事を伝え、そのまま3時間歩いて戻ってきた。レイク、リイナはわしがずっと担いできた。


 村に着いたらセコスはサッサと家に帰っていった。新婚じゃからな。しょうがない。他の若い衆も荷物をほどいて、それぞれの家へと帰っていった。


 「よし、それではわし達も家に帰るか。まあわしは居候じゃがの。」


 セイムさん、レイク、リイナと一緒に歩いて村の中を通って歩く。夕暮れ時じゃからか、各家からどんぐりを焼く匂いや、豆を煮る匂いがしてくる。わしが広めてからそんなに経っていないが、もはや主食といっていいほど食べられておる。これでみんな体がムッキムッキになれればいいな。


 族長の家に着いた。久々の我が家にみんな表情が明るい。レイクが元気に扉を開けた。

 「たっだいま〜〜〜お父さん、お母さん帰ったよ。」


 セレブさんがちょうどかまどで夕食を作っているところだった。


 「おかえり〜、みんな元気にしてた?お母さん毎日みんなの事が心配で。」

 あれ、セレブさんふっくらしてる?太ったかな。


 「お父さんは?」

 「お父さんは奥の部屋で筋トレしてるわよ。」


 筋トレって…ゲタンと話しあった森の民の報告もあり、一言挨拶しておこうと奥の部屋に入ると


 「スブム族長、今かえっ…ってだれ?」

 そこにはムッキムッキになったスブムがいた。


 「おおっジューローさんお帰りなさい。」 

 と腹筋をやめ、起き上がる。

 それを見た、レイク、リイナはおびえてわしの後ろに隠れる。


 「どうしたんだい?レイク、リイナ。怖がることはないよ。お父さんだよ。抱きついていいんだよ。」

 ……しゃべるたびに筋肉アピールがうざい。


 結局今日はセイムさん、レイク、リイナがスブムに近ずく事はなかった。

 久しぶりにみんなで囲んでごはんを食べた。どんぐりパンに、豆のスープ、ふかしたじゃがいも食べ放題。聞くとスブムは最近体の調子がすこぶる良いらしい。毎日毎日どんぐりパンと豆スープを大盛り食べて、体を鍛えたらしい。そうしたらムッキムキになったと。うれしくてうれしくてムッキムキにし過ぎたとの事。


 ふむ、わしの食改革によって良い効果が得られるという実証例として申し分ないな。よしこれを“ライザッ○”と名付けよう!ドウッテドウッテ、ジャジャジャジャッチャチャチャという音楽がわしの脳内でリフレインする。

 その食事後、子ども達がみなうれしそうにヌル族の事、海合宿の事を両親に話していた。それをうれしそうに聞くスブム夫妻。幸せそうな一家団欒じゃ。

 じゃがこの後、わしはスブムに族長解任を通告せねばならない。これからの森の民としての展望を語らねばならん。少しばかり気が重いが、今だけはこの一家団欒を楽しもう。


※※※※※


 皆が眠りに着く前にスブムに後でわしの小屋に顔を出すように告げて外に出た。今日も月がコバルトブルーに煌々と輝く。こちらの夜は真っ暗闇ではない。この月のおかげで視認性はとてもよい。

 ふと見るとわしの寝床の小屋の前にセコスが立っておった。


 「親父のことジジイに任せっぱなしってわけにはいかねーだろ。おれも一緒に説明するよ。」

 わしと一緒に小屋の中に入る。しばらくこれからの事を話しているとゆっくりと扉が開き、月明かりが部屋の中を照らす。


 はじめは、月明かりで逆光になっていて、ムッキムキになった親父に気づかなかったセコスがだったが、気づいた後はわしと同じリアクションを繰り返したので省略する。以下同文じゃ。


※64話まで手直ししました。これから順に262話まで手を入れて行くつもりですので、よろしくお願いします。

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