第51話 ジューロー怒る
「赤い三連星って恥ずかしくない?」
わしは思い切って聞いてみたのじゃ。
「くっくっくっく、いい質問だ!よく聞かれるぜ。ちなみにお前で3人目だぜ!」
…全然聞かれてねーじゃん。ほとんど無視されてるじゃん。
さすが自称。
「ちなみに1人目はうちの母ちゃん、2人目はポポプの母ちゃんだ。」
…母ちゃんだけじゃねーか!絶対に中二病を心配した親心だろ。
「ふっふふふふ、それじゃあ三連星の名が自称だけじゃねえって事を見せてやるよ。いくぞ!」
デブ、チビ、ノッポがわしの回りを取り囲む。
わしは何もしない。棒立ちじゃ。なぜなら全く危険を感じないからじゃ。
「くっくっくっく、いつまでそんな余裕をかましていられるかな?いくぞ!クイック&クイック発動!!」
かけ声とともに右回りしだした。3人がわしを中心にぐるぐるまわる。
まわるまわるまわる…………………………
うっとうしいわ!殴っていい?
「今だ! 赤い三連星アタック!」
…攻撃のタイミング言っちゃだめだろう。
三人が回りながら近づいてくる。
バチイイイイイイイーーーーーーー
「なっなにーーー!!!」
わしは片足をついてふさぎ込む。
「おいジジイ大丈夫か!」
エメリさんが心配して声を荒げる。
「だ、大丈夫じゃ、ちょっと油断しただけじゃ。」
「ぶふーぶふー、どうした、ぶふーもう足にぶふーきてんじゃねーか。」
…いや、デブお前もう息あがってんじゃねーか。
「まだまだ、ぶふーこんなもんじゃねんぜ、おれらはぜー。次はクイック&クイック&クイック発動!!」
かけ声とともに今度は左回りしだした。
クイックばっかりじゃねーかよ!3人がわしを中心にぐるぐるまわる。
まわるまわるまわる…………………………気持ち悪い…
「今だ! 赤い三連星アタック!」
三人が回りながら近づいてくる。
そして棒立ちのわしの…わしの耳元にいいいいいいいい
「ジジイ耳遠くね、ひざ小僧割ってやろうか、お前の母ちゃんマスクマン。」
精神攻撃じゃ。わしの心を折る作戦だったのじゃ。延々とわしの耳元を回り悪口を言いまくる。心配そうなエメリさんが見える。
そんなエメリさんに手を突き出し制止させる
「大丈夫じゃ。わしは悪口くらいで心を乱すようなやわじゃない。だてに歳はとってはおらん。さっきはふいに言われてちょっとめまいがした程度じゃ。」
こんな攻撃ぐらい屁でもないわ。それどころか、エメリさんのちょっとしたデレが見れて至福じゃ。
先ほどとは違い、全然こたえないわしをみて、じれてきたのか、
「こうなったら全力だ!捨て身のクイック&クイック&クイック&クイック発動!!」
技名長過ぎるよ。迅速に!だけでいいじゃろ。さっきより早さが増して、三人の口撃がさらに激しくなる。
「はげハゲ剥げ禿げはげハゲ剥げ禿げはげハゲ剥げ禿げ、ハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲハゲ。」
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なんて激しい攻撃なの。でもジューローは大人の対応だわ。見る限り表情を一切くずしていない………無表情だわ。これならこの攻撃にも耐えられそうで安心だわ。
エメリがそう思った瞬間、
「ぶちいいいいいーーーーーーーっ」
と自らの口で言った擬音と共に、ジューローのこれまで見た事の無い形相を目の当たりにする。
ジューローが天に向かって吠える。
「ハゲだと……それはクリ○ンのことかああああああああああーーーーー。それともわしのことかあああああああああああああ。」
回転してた赤い三連星はみんなびっくりして尻餅を付いている。
そのものすごい怒りの形相で吠えるジューローをみてエミリは思った。
「ク○リンとジューロー2人ともハゲよ」
と……




