第47話 謎の覆面三人組
その後もエメリさんと森を散策してみたが、今の所は新しい発見はなかった。
というかエメリさんの前でてへぺろのポーズがちょっと…恥ずかしくて「検解」をやるのが、気がひけたのじゃ。
さっき、何気なしにてへぺろをしている所を見られてしまって、
「…何だ?そのポーズは………私を挑発してるのか?」
とキレ気味に言われたので、
「いや、このポーズは我が国で代々伝わる森に感謝の気持ちを伝えるポーズなのじゃ。けして若いギャル達の間で流行った扇情的なポーズではないんじゃ。」
と思わずクイ気味で言い訳をしてしまったのじゃ…てへ。
そういえばわしは外見は推定60歳ぐらいじゃが、中身は20代という設定なのじゃ。設定というかミカにそうさせられたのじゃが……
だから今までは、自分が発した言葉がおじいちゃん言葉で、内面の心の声は20代の言葉に統一していたのじゃが、不思議な事に、最近は心の声もおじいちゃん言葉になってきてしまったのじゃ。……やっぱり時間と共に、内面も外見に合わせてきてしまうのかな。
だから「あれ、最近その設定忘れてない?」などと思ってはだめじゃ。一言一句計算通りなのじゃぞ。
………うそじゃ………一言一句はうそじゃ。
まあ、今日は収穫はなくてもしょうがない。ミメリさんと交流できただけでもよしとするか。
「エメリさん、今日はもう帰り…」
と言いかけると目の前の林から3人の男達がぞろぞろ出てきた。
左からチビ、デブ、ノッポだ。
しかもみんな頭に布をかぶっている。
目のところだけ開いてる、目だし帽のような感じじゃ。解説しやすくて助かる。
三人とも中肉中背だと、個性を出すために誇張しなければいけないから大変なんじゃ。1人1人ケイン○スギに似てるとか、スギちゃんに似てるとか書かないといけないからな。
そんな事を考えていたら…デブがしゃべった。
「ジジイ見〜〜〜〜〜〜っけ」
けひゃひゃひゃははははともう憎っっっっっったらしく笑う。
それに合わせてチビとノッポも笑う。
「「あははははははは〜〜〜〜〜〜」」
なにがそんなにおかしいのか?
わしはそんな3人に力強く言ってやった!
「ジジイ? 失礼な、ここにいるエメリさんはこう見えてもぴっちぴちの16歳じゃぞ!エメリさん、ジジイとか言われてますぞ、言い返してやりなさい。」
「お前の事だよ。ジジイは1人しかいないだろ。なんで私なんだよ、クソが!」
とエメリさんに本気で怒られてしまう。
ほんの軽いジョークなのに…
今のセリフ、本来ならデブがツッコムセリフなんじゃけど、エメリさんがまじ怒りというハプニングで一切ツッコミなし!
ただでさえツンなのに、また怒らせてしまった。
しょうがないここは大人のわしが先に謝るか…
「すまんのじゃ、帰ったらおいしいどんぐりパンおごるから、機嫌なおして、ねっ、ね。あっじゃあすぐ帰ってじいちゃん特製ことこと煮込んだ豆スープ作るからねっ、すぐ帰ろう。」
「ちっしょうがねえな。別に豆スープに釣られたんじゃねえぞ。ただ早く帰りたかっただけだからな!」
「わかったわかった、ツンじゃもんな、エメリさんは年中ツンじゃもんな。」
「なっツンばっかりじゃねえよ。わたしだってな…」
と二人一緒に帰路につく。
おもいっきり三人の登場をなかったことにしてやった。
夕食はエメリさんと一緒においしい豆スープを食べました。




