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第43話 選考会終了

 「はい、終〜〜〜〜了〜〜〜〜」

 長かったエンドレスタッチもセイムさんが疲れをみせた事により強制終了させる。


 おいゲタン、セコスも加わってるんじゃねえよ。なぜわしも呼んでくれんのじゃ…わしも交ざりたかった…めっちゃ楽しそうだったな…みんな。


 このエンドレスタッチにより、50名に入れなかった人達も満足したみたいで、いい笑顔でそれぞれ帰って行った。

 まあ最後にいい思い出を与えてくれてありがとうって感じじゃな。よかったよかった。


 「選ばれた50名よ、いよいよ次が最後じゃ。これに残った10名が、セイムさんとお話タイムゲットじゃ。」

 なお、いきなり50名→10名に減らすのはわしの都合じゃ。このままいくと延々とこの茶番というか、合コンの回をやり続けなければと、危機感を持ったのじゃ。

 ひとりひとりにスポットをあて、あるいはピックアップして合コンの様子を書くのに恐怖を感じたのじゃ。そんな事をしたら1、2回では終わらない。合コンのみのファンタジーになってしまうのじゃ。


 ファンタジーで転移してチート能力で大活躍!というあらすじなのに中身は合コンの心理戦…誰があの娘を!…嫌じゃろ?…みんなそんな展開見ないじゃろ?


 ある意味斬新じゃな……やってみるか。


 「最後は大縄跳びじゃ。今から10人ずつ5カ所に分け、一斉に飛び続けてもらう。ひっかかったりした人はその場で終了じゃ。最後の10人になるまで延々と飛び続けてもらう。名付けて“エンドレスジャンプ”じゃ。」


 もちろんこの世界に縄跳びなどはない。縄の替わりに長いツタを用意させて屈強な予選落ちした男2人が大きく振り回すのじゃ。

 延々と……ある意味回す方が大変じゃね?


 わしも昔、縄を回す方を任された事があるが、地味で目立たない裏方仕事なのにものすごく腕がキツイかった思い出が…飛んでる奴早くひっかかれ〜〜〜早くつぶれろ!

 と、心の中で毒づいたこともありました。今ではいい思い出でじゃ(笑)


 「それでは用意はいいか?いくぞ〜〜〜〜〜せ〜〜〜〜の」

 1・2・3・4…と、どんどん続いて行く。


 ばったばった縄を飛べず、ひっかかって倒れて行く。延々と続くかと思われたが、意外な形で縄跳びは終了するのだった…

 なんと、10人ずつ5列あるうちの1列の10人が全員残ったのである。


 …いやごめん。すごいのか、すごくないのかわかんないね。でも1列全部残るってすごくない?すごいよね。ねっねっ?


 そんなすごい競技で残った10人を広場の中央に集め、いよいよセイムさんメインのイベントじゃ、

 「よくぞここまでたどり着いた選ばれた戦士たちよ!それではセイムさんを中心に10人で囲い、思う存分話すがいい。合コンの始まりじゃ〜〜〜〜」


 …………………………………


 う〜ん失敗したかな。一斉にアピールで残った者たちで争いが…そりゃあそうか、セイムさんとマンツーマンじゃなければゆっくり話せんわのう。せめて1対1の時間制限式にすればよかったかな。


 と反省していると動きがあった。


 1人がセイムさんの手を取って駆け出したのじゃ。抜け駆けじゃ、勇気あるチャレンジャー抜け駆けの登場じゃ。のこり9人が慌ててそれを追う。

 あれ、駆け出したのスペードじゃないか…すっかり忘れてた。残ってたのか、すごいのう。

 お姫様だっこして逃げる。これはなかなかのシチュエーションじゃ。残り9人を振り切った。やるな、あやつ。


 しばらく見届けた後に終わりを告げる。


 「フリータイム終〜〜〜〜了〜〜〜〜。みなさんお疲れさまでした。じゃあこちらに並んでもらって。最後にセイムさんから印象の良かった人を伝えてもらいます。その方がセイムさんとつきあう権利を獲得です。

 それではセイムさんどうぞ。」


 ドルルルルルル〜〜〜〜〜〜心のドラムが鳴り響く

 ドルルルルルル〜〜〜〜〜〜ためる〜〜〜〜〜ためる

 ドルルルルルル〜〜〜〜〜〜ドン


 「私の気になった方は…いません。ごめんなさい。というか、なんかわちゃわちゃして、それどころじゃなかったというか…また、ちゃんとした場を設けていただけたらと……ダメですか?」


 このイベント全否定きた〜〜〜〜。

 最後の最後で全否定きた〜〜〜〜。


 「…ごほん。それでは今回セイムお婿さん選抜会を企画、実行、全責任を負う大会委員長であるジューローからひとこと。」

 とゲタンの挨拶に続き、わしにバトンをつなげる。

 ジト目をしながらこちらを注視する静まりかえった群衆に一言


 「大好評につき第2回セイムお婿さん選抜会開催決定!」

 わしは高らかに宣言した。ちょっと誇らしげに…


 こうして、大ブーイングの中、セイムお婿さん選抜会は終了したのである。


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