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第32話 隠れん坊再び!

 「よし、わかった勝負じゃ!ゲフン。お主が勝ったら、セイムさんと結婚させてやろう。もし負けたらセイムさんを諦めろ、よいか。」


 「そんな、ジューロー様」

 「おい、ジジイ何勝手に決めてんだよ」

 わしの勝手な提案に二人揃って突っ込まれた、そりゃそうじゃろ。


 そんな二人を制して話を続けた。


 「もちろん、勝負はわしでなくセイムさんとじゃ。どうじゃ? 受ける度胸はあるかのう、お主に」

 と、たき付ける。


 「おで、セイムに絶対負けない。受ける。受けてセイムと夫婦になる、ぐふふふふ」

 と下衆な笑いを見せた。


 きもっ


 「ジューロー様、私が勝負なんて」


 「セイムさん、結局あなたの問題なのです。わしや、セコスが代わりに勝負しても意味ないのです。あなた自身がゲフンとの悪縁を断ち切るのじゃ」


 …………無言が続く。

 兄のセコスはわしの隣で女のセイムには不利だ、何勝手な事言ってるんだ、聞いてるのか?ハゲたジジイとうるさく言ってくるが、腹にワンパン入れておいた。誰がハゲたジジイじゃ!ハゲとるけども!


 などと言い合いをしている間に、セイムさんは意を決したようじゃ…

 「わかりました。私勝負します!」


 「よくぞ決心してくれたのう、その気持ちだけでこの負の存在ゲフンの悪夢を

断ち切れた事と同義じゃ。もう倒したも同然じゃ」


 「早く、早く勝負する。おで勝つぐふふふ。」

 気持ち悪いわ〜この負の存在。本当の悪夢じゃ…


 「あわてるでない。それでは勝負内容を発表する。」


 「勝負内容は……“隠れん坊”じゃ〜〜〜〜!ばばばばば〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」

 自らの口で効果音。


 「解説しよう!“隠れん坊”とは、ある国で延々と続く由緒正しい競技で、ある国では“隠れん坊”により国民全員が……」


 「いやその説明はもういいから!」

 苦々しい思い出があるのかセコスが嫌そうな顔してわしにツッコム!


 「そ、それでどういう勝負なんだ」


 「うむ、説明しよう。これから親であるセイムさんから、お主は逃げ回ってもらう。もしセイムさんに見つかったらお主の負けじゃ。結婚はできない。

 しかし、これからずっとセイムさんに見つからず逃げ通せればお主の勝ちじゃ。セイムさんと結婚できるのじゃ。わかったかいのう?」


 「う、うんセイムに見つからなければいいんだな。わかった。ぐふふ簡単だじぇ」

 いやらしい笑い方しやがって、このヤロウ。


 「よし、では今からセイムさんが100数える間に隠れてもらおうか。それではいくぞセイムさん」


 「わっかりましたわ」

 セイムさんは笑顔で、力強くイキイキと言った。


 「それでは、開始!」

 「い〜ち、に〜い、さ〜ん…」


 セイムさんは背を向け木の前で目をつむり、ゆっくりカウントを開始した。


 それを見て一目散にゲフンは反対側に走りさる。全力で走り去る…


 その後ろ姿を見守りつつ、セコスはわしに問いかける…

 「もう2度と会えないのかな…アイツには…」


 「いや、会えるさ、きっと…50年後くらいには」

 セコスと並んで走り去るゲフンの後ろ姿を見守りつつ、わしは答えたのじゃった。


※※※※※


 「悪い奴だなこのジジイは。結局どっちにころんでもセイムの勝ちじゃねーかよ。」

 セコスがニタニタ笑いながら話しかけてくる。


 「わしは何も嘘は言ってないぞ。まあ、確かに期限を決め忘れたわしの落ち度といえば落ち度じゃが…誰も気づかなかったではないか。お主の時もそうじゃったが。」


 セコスはバツが悪そうな顔をするが、妹がとびっきりの笑顔を見せてくれたので

まあいいかと思う。


 「ジューロー様ありがとうございました。これでもうゲフンに付き纏わられずに済みます。」


 「まあ、このままほっておいても良いが、本当に見つけに行ってもいいんじゃぞ。

見〜〜つけたって言ってやってのう。」


 みんなで笑う。あっ、今アットホームな感じや〜〜〜。


 「それより早く族長の所に行かなくては。とんだ道草をくってしもうたわい」


 ついに次号

 ヌル族の集落に足を踏み入れる。乞うご期待!


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